猫の目やにが増える原因とは?結膜炎やアレルギーなどの病気が隠れていることも
- 2024年10月18日
- 病気について
愛猫の目元に目やにがついているのを見つけて、心配になったことはありませんか?目やには、生理現象の一環であることもありますが、感染症やアレルギーなど病気のサインである場合もあります。
たとえば、目やにの色や量がいつもと違ったり、目が赤くなっているときは注意が必要です。見た目から異常を感じたときは、早めに対処することが大切です。
今回は、猫の目やにの原因や対処法について詳しくご紹介し、獣医師への相談が必要な状況もお伝えします。
■目次
1.猫の目やにとは?
2.愛猫の目やにの原因とは?考えられる理由をチェック
3.目やにの観察ポイント
4.目やにの対処法
5.目やにの予防法
6.こんな症状が見られたら要注意!すぐに獣医師に相談を
7.猫の年齢や種類別の注意点
8.まとめ
猫の目やにとは?
健康な猫の目は、クリアで潤いがあり、輝いて見えます。少量の透明や白っぽい目やには、目の保護や汚れを洗い流すための正常な分泌物で、自然なものですので特に問題はありません。
ただし、目やにの色や量によっては異常のサインであることがあります。黄色や緑色の目やに、または大量に出る場合は、感染症や炎症が疑われます。
目が赤くなったり、猫が目をこするような仕草が見られたりした場合も、早めに獣医師に相談しましょう。
愛猫の目やにの原因とは?考えられる理由をチェック
猫の目やには以下のようなさまざまな原因が考えられます。
・アレルギー:花粉やハウスダストが原因で目のかゆみや、充血を引き起こすことがあります。季節性のアレルギーの場合は、特定の時期に症状が悪化することが多いです。
・結膜炎:目の表面を覆う結膜が炎症を起こす状態で、目が充血したり腫れたり、多量の目やにが出るのが特徴です。ウイルスや細菌の感染が主な原因です。
・角膜潰瘍:目の表面に傷がつくことで発症し、痛みや光への敏感さが見られます。外傷や感染症が原因となることが多く、早めの治療が必要です。
・涙管の閉塞:涙がうまく排出されず、目やにが増える原因となります。特にペルシャなどの短頭種の猫に多く見られます。
・上気道感染(猫風邪):くしゃみや鼻水とともに目やにが増加することがあります。複数の猫がいる環境では広がりやすいので注意が必要です。
その他、異物の混入や腫瘍なども目やにの原因になることがあります。
目やにの観察ポイント
愛猫の目やにを観察するときには、以下のポイントに注意しましょう。
・目やにの色と量:少量の透明や白色の目やには通常問題ありませんが、黄色や緑色である場合や、大量に出る場合は異常のサインかもしれません。
・目の充血や腫れ:目が赤くなる、まぶたが腫れているようなら、炎症や感染が疑われますので、よく観察しましょう。
・瞬きの頻度や目を細める様子:頻繁に瞬きをする、目を細めるような仕草が見られる場合、不快感や痛みがある可能性があります。
・目をこする行動:前足で目をこする、家具などに顔を擦り付けるなどの行動は、目に違和感があるサインですので、注意が必要です。
また、目やにが片側だけか両側から出ているかも重要な観察ポイントです。さらに、くしゃみや鼻水、食欲不振などの全身症状が伴っていないかも確認しましょう。
目やにの対処法
愛猫の目やにが気になるときは、次の対処法を試してみてください。
<清潔なケア>
湿らせた清潔なガーゼを使い、目の外側から内側に向かって優しく拭き取ります。目を強くこすらないように注意しながら、優しくケアしましょう。
<環境整備>
アレルギーの原因となりそうな物質を減らし、清潔な環境を保つようにしましょう。特にホコリや花粉、タバコの煙などは目の刺激となることがあるため、こまめな掃除や換気が大切です。
<ストレス軽減>
猫がリラックスできる休息スペースを整え、規則正しい生活リズムを心がけることで、ストレスの軽減につながります。静かな場所でのんびり過ごせるように工夫しましょう。
これらの対処法は一時的なケアですので、目やにが改善しない、または症状が悪化する場合は、迷わず獣医師に相談してください。
目やにの予防法
愛猫の目を健康に保つためには、日頃のケアがとても大切です。まずは、清潔で快適な環境を整えてあげましょう。ホコリや煙が目に入らないように、こまめに掃除や換気を行い、愛猫がリラックスできる、ストレスの少ない空間を作ることがポイントです。
また、良質なタンパク質や必須脂肪酸を含んだ栄養バランスの良い食事を与えることも、目の健康を支える重要な要素です。適切な食事は、体全体の健康をサポートし、目のトラブルを防ぐことにもつながります。
さらに、年に1〜2回の定期健康診断で目の状態をチェックしてもらい、異常を早期に発見できるようにしましょう。猫ヘルペスウイルスなどの感染症予防のために、適切な予防接種を受けることも忘れずに行うように心がけましょう。
こんな症状が見られたら要注意!すぐに獣医師に相談を
以下のような症状が見られた場合は、早めに獣医師の診察を受けましょう。
・大量または持続的な目やに:感染症や重度の炎症の可能性があります。
・目の周りの腫れや変形:外傷や腫瘍の可能性があり、早期に診断して治療を開始することが大切です。
・目を開けられない:強い痛みや不快感があるサインで、緊急の処置が必要なこともあります。
・目の色の変化:角膜の損傷や緑内障など、深刻な目の病気のサインかもしれません。
猫の年齢や種類別の注意点
猫の年齢や種類によって、目やにへの注意点も異なります。
子猫や高齢猫は免疫力が弱く、感染症にかかりやすいため、目やにが増えた場合には特に注意が必要です。異常を早めに察知し、必要に応じて適切なケアを行うことが大切です。日頃からこまめに目の状態をチェックしてあげましょう。
また、ペルシャやエキゾチックショートヘアなどの短頭種は、涙管が詰まりやすく、目やにが出やすい傾向があります。これらの猫種では、日常的に目の周りを清潔に保ち、ガーゼや柔らかい布で優しく拭いてあげるケアが特に重要です。
まとめ
猫の目やには、その原因や状態によって対処法が異なるため、日頃からの観察と適切なケアがとても大切です。いつもと違う目やにが見られたら、早めに獣医師に相談しましょう。
愛猫の目の健康は、全身の健康にもつながることが多いので、定期的な健康診断と合わせて、目のケアにも気を配ってあげることが大切です。
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