犬の目やにが黄色い!?考えられる原因と緊急性の判断方法
- 2025年4月9日
- 病気について
愛犬の目頭に黄色い目やにが目立つようになり、不安を感じている飼い主様も多いのではないでしょうか。
目やには犬の健康状態を映し出す重要なサインの一つです。その色や性状が変化する場合、単なる生理現象ではなく、結膜炎をはじめとしたさまざまな病気が隠れているケースがあります。
今回は、犬の目やにの原因や適切な対処法について詳しく解説します。
■目次
1.正常な目やにと異常な目やにの見分け方
2.黄色い目やにの主な原因
3.注意が必要な犬の目の症状
4.ご家庭でできる目のケア
5.まとめ
正常な目やにと異常な目やにの見分け方
健康な犬でも目やには少量出ることがあります。通常は白っぽい、または透明に近い色をしており、目の表面の老廃物や埃や涙が混ざった自然なものです。しかし、黄色や緑がかった目やにや、多量の目やには、炎症や感染症の疑いがあります。
黄色い目やにの主な原因
黄色い目やには、以下のような原因で発生することがあります。
<結膜炎>
最も一般的な原因で、アレルギーや細菌、ウイルス感染によって、結膜(目の表面を覆う薄い膜)が炎症を起こします。
<外傷や異物>
角膜(いわゆる「黒目」の部分)が傷つくことや、異物やシャンプーなどの刺激物が原因となって炎症を起こす場合があります。
<鼻涙管の問題>
鼻涙管(涙が排泄されるための通り道)の閉塞や狭窄によって、涙がスムーズに排出されず目やにが溜まることがあります。
<全身疾患>
重篤な感染症や免疫疾患の症状として、目やにが発生することがあります。
特にシーズーやパグなどの短頭種は目が飛び出ているため、外傷や涙の排出経路に問題が生じやすく、目やにが溜まりやすい傾向があります。このような犬種では、日頃から目のケアを心がけることも大切です。
注意が必要な犬の目の症状
愛犬の目やにや目の状態に異常がみられる場合、どの程度で動物病院を受診すべきか迷われる飼い主様も多いかと思います。以下の症状がみられる場合は、早めに動物病院を受診してください。
・大量の黄色い目やにが継続して出る
通常の目やにと異なり、炎症や感染症が原因となっている場合があります。
・目に充血や腫れがみられる
目の周囲が赤くなったり腫れたりしている場合は、アレルギーや結膜炎などの炎症が考えられます。
・目を頻繁に擦る
痛みや違和感があるサインです。
・視力に影響がありそうな行動をとる
ものにぶつかったり、目が見えていないように感じる場合。
・目に外傷や出血がある
目に直接の損傷がある場合、早急な処置が必要です。
これらの症状は、単なる目やにの問題ではなく、深刻な目の病気が原因となっている場合があります。特に、目に明らかな外傷がある場合や視力に影響が出ている様子がみられる場合は緊急性が高いことが多いので注意が必要です。
一方で、少量の透明または薄い黄色の目やにで他に症状がない場合は、1〜2日様子をみても問題ない場合がほとんどです。ただし、症状が改善しなかったり、悪化している様子がみられる場合は、動物病院を受診することをおすすめします。
ご家庭でできる目のケア
ご家庭での目のケアには、以下の方法を取り入れてみてください。
<目の周りを清潔に保つ>
清潔な湿らせたガーゼやコットン、綿棒を使用し、目の内側から外側に向かって優しく拭き取ります。目やにを無理に取ろうとして目を傷つけないように注意してください。
<目の健康を維持するための予防策>
愛犬の身の回りを清潔に保つことや、アレルゲンの少ない環境を作ることが効果的です。また、栄養バランスの取れたフードを与えることも目の健康維持に重要な役割を果たします。
市販の犬用目薬や洗浄液を使用する選択肢もありますが、必ず獣医師に相談してから使用するようにしましょう。また、人間用の目薬は絶対に使用しないでください。
まとめ|愛犬の目の健康を守るために
犬の目やには、健康状態を知る大切な手がかりです。日頃から愛犬の目を観察することで、異常にいち早く気づくことができます。また、適切なケアや予防を日常生活に取り入れることが、愛犬の目を健やかに保つための第一歩となります。
ただし、目は非常に繊細な器官であり、自己判断によるケアが症状を悪化させる恐れもあります。少しでも不安がある場合は、早めに獣医師に相談することをおすすめします。
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