犬のお腹が膨らむ原因とは?これって放置すると危険な症状?
- 2025年4月11日
- 病気について
愛犬のお腹が膨らんでいるのに気がついて、心配に思っている飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ただ太っただけかもしれない」と思う一方で「何か重大な病気では?」と不安がよぎることもあるでしょう。
犬のお腹が膨らむ原因にはさまざまな要因があり、中には緊急対応が必要なケースも含まれています。
今回は、犬のお腹が膨らむ主な原因や症状、対処法について詳しく解説します。
■目次
1.お腹が膨らむ症状の特徴について
2.考えられる主な原因について
3.すぐに動物病院への受診が必要な症状について
4.予防策と日常生活でできることについて
5.まとめ
お腹が膨らむ症状の特徴について
まずは、正常なお腹の膨らみと異常な膨らみを見分けることが、愛犬の健康を守る第一歩です。
健康な犬でも食事後にお腹が膨らむことがありますが、これは一時的で、時間とともに自然に治まります。また、妊娠中期から後期にかけての犬も徐々にお腹が膨らみますが、これも正常な変化です。
しかし、急激な膨らみや、触ると痛がるなどの異常が見られる場合には注意が必要です。また、慢性的にお腹が膨らんでいる場合も、何らかの疾患が関係していることがあります。
考えられる主な原因について
犬のお腹が膨らむ原因には、以下のようなものがあります。
<ガスの貯留>
食べ過ぎや消化不良が原因でガスが溜まることがあります。一時的なものであれば心配ありませんが、この状態が続くと胃拡張や胃捻転のリスクが高まります。
<腹水の貯留>
心臓病、肝臓病、腎臓病などの疾患によって、腹腔内に液体が溜まることがあります。この場合、治療をしないと症状が進行することが多くみられるため注意が必要です。
<臓器の腫大や腫瘍>
内臓の肥大や腫瘍によってお腹が膨らむ場合があります。特に高齢犬では腫瘍性疾患が原因であることが少なくありません。
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犬種や年齢もリスクに影響を与えます。例えば、胃拡張・胃捻転症候群は大型犬に多く、グレートデーンやセントバーナードなどがリスクの高い犬種として知られています。一方、小型犬では心臓病による腹水が比較的多く見られ、高齢犬ではクッシング症候群や腫瘍性疾患が原因となることがあります。
すぐに動物病院への受診が必要な症状について
もし以下のいずれかの症状が見られた場合は、速やかに動物病院を受診してください。
・お腹が急激に膨らんだ
・食後、落ち着きがなく、歩き回る
・触ると痛がる、または触らせない
・嘔吐する、もしくは何も吐き出せないが嘔吐しようとする様子がみられる
・食欲や元気がなく、動きたがらない
特に胃捻転が疑われる場合は緊急対応が必要です。胃捻転は、胃が異常に拡張し、さらに捻れてしまう深刻な状態で、迅速な治療が行われないと生命に関わる危険があります。特に大型犬の飼い主様は、食後の様子を特に注意深く観察してください。
予防策と日常生活でできることについて
犬のお腹の膨らみを防ぐためには、以下の予防策を日常的に取り入れることが効果的です。
<適切な食事管理>
一度に大量の食事を与えると、胃に過度な負担がかかるため、1日2〜3回に分けて与えましょう。また、早食いを防ぐ専用の食器を利用することで、胃に優しい食事習慣をサポートできます。食事の内容も栄養バランスが取れたフードを選び、量や与えるタイミングにも気を配りましょう。
<運動と休息のバランス>
食後すぐに激しい運動を行うと、胃拡張や胃捻転のリスクが高まります。食事後は最低1〜2時間の休息を取り、その後で適度な運動を取り入れることが重要です。特に胃拡張や胃捻転のリスクが高い大型犬は、無理のない運動計画を立てることで、健康維持とリスク回避に繋がります。
<定期的な健康診断>
年に1〜2回の健康診断を受けることで、病気の早期発見と予防が可能です。
健康診断では、体重測定や触診のほか、必要に応じて血液検査や画像診断を実施します。
特に7歳以上のシニア犬や、胃拡張・胃捻転などのリスクが高い犬種では、定期的な診断が健康管理に役立ちます。
まとめ
急激な変化や痛みを伴う場合は、速やかに動物病院を受診し、慢性的なお腹の膨らみが見られる場合も、定期的な健康チェックを欠かさないようにしましょう。日頃から愛犬の体型や様子をよく観察し、少しでも気になる変化があれば、早めに獣医師に相談することが、愛犬の健康を守る最良の方法です。適切なケアと注意深い観察により、多くの場合、重大な問題を未然に防ぐことができます。
当院では、経験豊富な獣医師が丁寧にサポートさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。
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