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愛犬の関節炎に気づいていますか?症状と治療法を獣医師が解説|八幡みなみ動物病院|市川市の動物病院

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愛犬の関節炎に気づいていますか?症状と治療法を獣医師が解説

愛犬の関節炎に気づいていますか?症状と治療法を獣医師が解説|八幡みなみ動物病院|市川市の動物病院

愛犬の関節炎に気づいていますか?症状と治療法を獣医師が解説

愛犬が年齢を重ねると、体のあちこちに変化が表れることがあります。その中でも関節炎は、高齢の犬によく見られる疾患のひとつで、進行すると痛みが増し、運動量の減少につながるおそれがあります。その結果、筋力の低下や体重増加を招き、さらなる関節への負担となる悪循環を引き起こしてしまうことも少なくありません。

しかし、関節炎は早期に発見し、早めに適切なケアや治療を行うことで、愛犬の負担を減らすことが可能なため、異変を見逃さないことが大切です。

今回は、関節炎の症状や原因、治療法、そして日常生活でできる予防策について詳しく解説します。

■目次
1.関節炎とは?症状と原因
2.関節炎の主な症状と見分け方
3.関節炎の検査・診断方法
4.関節炎の治療方法と管理
5.予防と日常生活での注意点
6.まとめ

 

関節炎とは?症状と原因

関節炎とは、骨と骨をつなぐ関節部分に炎症が起こる病気です。通常、関節は軟骨で覆われ、関節液(滑液)がクッションの役割を果たすことでスムーズに動きます。しかし、加齢などの影響で軟骨がすり減ったり、滑液が減少したりすると、関節部分に負担がかかり炎症が発生します。この状態を「変形性関節炎」といいます。

変形性関節症についてはこちらから

関節炎は加齢によるものが多いですが、それ以外にも以下のような原因があります。

自己免疫疾患:免疫の異常により、関節に炎症が起こることがあります。
外傷:事故やケガが原因で、関節にダメージが蓄積し発症することがあります。
感染症:細菌やウイルスの感染が関節炎を引き起こすこともあります。

また、大型犬(ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなど)は体重の負担から関節炎になりやすい傾向があります。小型犬でも、ミニチュアダックスフンドのように背骨や関節への負担が大きい犬種は注意が必要です。

 

関節炎の主な症状と見分け方

愛犬が関節炎になっているかどうかは、日常の動作や行動の変化をよく観察することで気づける場合があります。特に以下のようなサインが見られたら要注意です。

歩き方に違和感がある(引きずる、ぎこちない歩き方になる)
散歩中に立ち止まる回数が増える、歩くペースが遅くなる
朝起きた直後に動きたがらない
ジャンプや階段の昇り降りを嫌がる
運動後にぐったりする、疲れやすくなる

初期の症状は軽いため見逃しがちですが、進行すると痛みが強くなり、活動量が減ることで筋力の低下や体重の増加につながることもあります。日頃から愛犬の動きや様子を注意深く観察し、小さな変化を見逃さないようにしましょう。

 

関節炎の検査・診断方法

関節炎が疑われる場合は、早めに動物病院で診察を受けることが大切です。診断には以下のような検査が行われます。

触診
直接体を触って異常な腫れや痛みの有無を確認します。また歩行の状態を観察し、問題部位を特定します。

レントゲン検査
骨や関節部分の状態を確認するためにレントゲン撮影を行います。軟骨のすり減り具合や骨の変形なども把握できます。

血液検査・関節液検査
炎症反応や感染症の有無を調べるために、必要に応じて血液検査や関節液(滑液)の分析を行うこともあります。

これらの検査は、愛犬に大きな負担をかけることなく行うことができます。特にシニア期に入ったら、定期的な健康診断を受けて、関節の状態をチェックすることをおすすめします。

 

関節炎の治療方法と管理

関節炎と診断された場合、症状の進行具合に応じて以下のような治療法が選択されます。

<薬物療法>

消炎鎮痛剤やモノクローナル抗体薬などを使用して痛みや炎症を抑えます。軟骨の健康をサポートするサプリメントを併用することもあります。

<リハビリテーション>

水中歩行などの身体への負担を軽減した運動療法で、筋力維持と可動域の改善を図ります

<手術>

症状が重度の場合は、関節の手術が選択肢となる場合もあります。ただし、高齢犬の場合は麻酔リスクを考慮する必要があるため慎重に判断します。

治療は継続的に行うことが重要です。獣医師と相談しながら、愛犬に最適なケアを続けていきましょう。

 

予防と日常生活での注意点

関節炎の進行を遅らせたり、症状の悪化を防ぐためには、日頃のケアが重要です。以下の点に注意して、愛犬の関節を守りましょう。

適度な運動を取り入れる
適切な運動量で筋力低下を防ぎます。ただし、激しすぎる運動は逆効果なので、適度な散歩やストレッチで筋力を維持しましょう。

体重管理を徹底する
肥満は関節への大きな負担になります。適切な食事管理を心がけ、理想体重をキープしましょう。

生活環境を整える
フローリングには滑り止めマットを敷き、段差解消グッズなどで階段や段差の昇り降りを減らすことで、日常生活で関節への負担を軽減します。また、寒さは痛みを悪化させるため、防寒対策も重要です。

定期的な健康チェック
早期発見・早期治療につながるため、定期的に動物病院で関節の状態をチェックしましょう。

 

まとめ

愛犬の関節炎は、早めに気づき適切なケアを行うことで、進行を防ぎ、快適な生活をサポートできます。「歳だから仕方ない」と思わず、愛犬の動きや表情の変化に目を向けることが大切です。もし「歩き方がいつもと違う」「散歩を嫌がるようになった」と感じたら、まずは獣医師に相談しましょう。関節炎は適切な治療や日常の工夫で、愛犬の負担を軽減し、元気な毎日を取り戻せる可能性があります。

また、関節炎の早期発見には定期的な健康診断も役立ちます。当院では「健康診断をしたいけれど、何から始めればいいかわからない」と感じる飼い主様にも、獣医師が愛犬の様子を伺いながら、優先度の高い検査を一緒に考え、ご提案しています。

検査結果は飼い主様と共有し、これからの生活のアドバイスなどもさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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