猫の目の充血は病気のサイン?|考えられる原因と受診のタイミング
- 2024年11月29日
- 病気について
愛猫の目が赤く充血しているのを見つけたとき、飼い主様は「どうしたんだろう?」と不安に感じることがあるかもしれません。
目の症状をそのままにしておくと悪化することもあるため、早い段階で原因を突き止め、適切に対応することがとても重要です。
今回は、猫の目が赤く充血する原因や適切な対処法について解説します。
■目次
1.猫の目の充血とは?
2.目が充血する主な原因
3.充血と一緒に見られる要注意な症状
4.すぐに病院を受診すべき症状
5.家庭でできるケアと注意点
6.まとめ
猫の目の充血とは?
猫の目の充血は、目の「白目」にあたる部分、つまり強膜(きょうまく)が赤くなる状態を指します。強膜は黒目(角膜)の外側にあり、通常は目の端や瞼の隙間から少し見える白い部分です。
充血は片目だけに現れることもあれば、両目に見られることもあります。
片目だけの充血は、軽い外傷や目に異物が入ったことが原因である場合が多いです。
一方、両目に充血が見られる場合は、全身的な病気が関係していることがありますので注意が必要です。
さらに、充血と似ている症状として、目の周りの皮膚炎や、他の目の病気が原因の赤みなどがあります。
目が充血する主な原因
猫の目の充血には軽度なものから重症の病気が関係している場合まで、さまざまな原因があります。
<軽度な症状による充血>
・アレルギーや異物混入
アレルギー反応や目に入ったゴミなどが原因で、一時的に充血することがあります。
・上気道感染(猫風邪)
風邪の症状として、目が赤くなることがあります。涙や目やに、鼻水などが一緒に見られるのが特徴です。
<重症な病気による可能性>
・緑内障
眼圧が上昇し、目が赤くなることがあります。猫が目を痛がる素振りを見せる場合や、目が通常より大きく見える場合は注意が必要です。
猫の緑内障は、他の目の病気が引き金となることが多いとされています。
・ぶどう膜炎
目の内部で炎症が起こり、充血が見られる症状です。全身性疾患が関係しているケースもあります。
・網膜剥離
高血圧によって網膜剥離が起こり、視力に影響を及ぼすことがあります。さらに病変が広範囲に及ぶと、失明に至る場合もあります。
・高血圧や全身性疾患
高齢の猫では、腎不全や甲状腺機能亢進症、肥大型心筋症などの疾患が原因で高血圧を引き起こすことがあります。高血圧が原因で目に影響を及ぼす場合があります。
甲状腺機能亢進症についてはこちらから
肥大型心筋症についてはこちらから
・感染症
猫ヘルペスウイルスやカリシウイルスなど、さまざまなウイルスによる感染症が目の充血を引き起こすことがあります。
充血と一緒に見られる要注意な症状
愛猫の目に充血が見られるときは、他の症状にも注意を払うことが大切です。
・目やにの性状と量
目やにが黄色や緑色をしている場合は、感染症が疑われます。
一方、さらさらした透明な目やには、アレルギーや軽い刺激が原因であることがあります。
・まぶたの腫れ、目を細める仕草
目をしょぼしょぼさせる場合や、まぶたが腫れている場合は、目に痛みや不快感があるサインです。強い光を嫌がる様子が見られることもあります。
・目を擦る、顔を擦りつける
目に異物が入ったり、傷ができたりして違和感がある可能性があります。
・食欲や活動性の変化
目の痛みが強い場合や、全身疾患が影響している場合、食欲の低下や元気がなくなることがあります。
・痛がる様子
目に触られるのを嫌がる場合や、鳴いて痛みを訴える場合は緊急性が高いことがあります。愛猫が目を擦らないように注意しながら、すぐに動物病院を受診してください。エリザベスカラーがある場合は装着して症状の悪化を防ぎましょう。
すぐに病院を受診すべき症状
・目が急に赤くなり、痛がる様子が見られる
・目やにが大量に出ている
・目を開けられない状態になっている
・目の表面に傷が見られる
・全身の症状として、食欲不振や元気の低下が見られる
・高血圧を伴う腎不全、甲状腺機能亢進症、肥大型心筋症といった基礎疾患がある
これらの症状が現れた場合は、放置せずに速やかに動物病院で診察を受けましょう。特に、緊急性が高い症状の場合は、夜間や休日であっても、夜間救急病院を受診しましょう。
また、治療を受けても症状が改善しない場合や、診断や治療方針に疑問を感じる場合には、セカンドオピニオンを求めることも重要です。愛猫の健康を守るため、飼い主様が納得できる対応を心がけてください。
家庭でできるケアと注意点
愛猫の目の健康を守るため、日常的なケアや注意点を確認しておきましょう。
まず、目の周りを清潔に保つことが大切です。清潔なガーゼや濡らしたタオルを使い、目の周りを優しく拭いてあげましょう。ただし、強く擦ったり、目に直接触れたりしないように注意してください。
また、腎不全や甲状腺機能亢進症などの基礎疾患がある場合は、獣医師の指示に従い適切な治療を継続することが重要です。基礎疾患をしっかりコントロールすることで、目の症状の悪化を防ぐことができます。
生活環境にも配慮が必要です。埃やタバコの煙など、目に刺激を与えるものは避け、清潔で快適な空間を整えましょう。
さらに、静かな環境を用意して、猫がリラックスできるようにすることも大切です。ストレスは目の症状を悪化させる原因の一つですので、愛猫が安心して過ごせる環境を整えてあげてください。
感染症の予防も欠かせません。特に、猫ヘルペスウイルスなどの感染症は、目の充血やその他の症状を引き起こすことがありますが、定期的な予防接種を受けることでリスクを大幅に軽減できます。
予防接種のスケジュールは、愛猫の健康状態や年齢に応じて獣医師と相談しながら計画を立てましょう。
これらのポイントを日常生活に取り入れることで、愛猫の目の健康を守ることができます。
もし症状が改善しない場合や不安な点があれば、早めに動物病院で相談することをおすすめします。
まとめ
猫の目の充血は、放置すると失明につながる可能性もあるため、早期発見と早期治療がとても重要です。
この記事でご紹介したポイントを日々のケアに取り入れながら、愛猫の目の健康を守ってあげてください。
気になる症状があれば、些細なことでもぜひ当院にご相談ください。
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