猫の抜け毛が多い?「病気のサイン」と「正常な換毛」の見分け方
- 2025年4月9日
- 病気について
「最近、愛猫の抜け毛が増えた気がする…」と心配に思っている飼い主様も多いのではないでしょうか。猫は季節の変わり目に毛が生え変わるのが一般的ですが、時には健康上の問題を示すサインであることもあります。抜け毛の原因が正常な換毛によるものなのか、それとも病気によるものなのか、気になりますよね。
今回は、正常な換毛と異常な抜け毛の見分け方や、原因と対策、そして動物病院への相談が必要なケースについて詳しくお伝えします。
■目次
1.正常な換毛と異常な抜け毛の違い
2.抜け毛が増える原因と対策
3.快適な室内環境づくり
4.動物病院への相談が必要なケース
5.まとめ
正常な換毛と異常な抜け毛の違い
猫の被毛は、季節の変化に合わせて生え変わります。これを「換毛」と呼びます。通常、春と秋の年2回、大きな換毛期があり、春には冬の厚い毛(冬毛)が抜けて薄い夏の毛(夏毛)に、秋には涼しい夏毛が抜けて暖かい冬毛になります。
室内飼いの猫の場合、温度や日照時間の変化が少ないため、1年を通じて少しずつ毛が生え変わることがあります。これは正常な現象です。
一方、異常な抜け毛には以下のような特徴があります。
・急激な抜け毛の増加
・部分的な脱毛
・皮膚の異常(赤み、かさぶた、フケの増加など)
・毛並みの変化(艶がなくなる、ごわごわした感触)
これらの症状がみられる場合は、単なる換毛ではなく、何らかの健康上の問題が原因となっている場合があります。
抜け毛が増える原因と対策
抜け毛の原因にはさまざまなものがあります。それぞれの原因に応じた対策を取りましょう。
<季節の変わり目による換毛>
自然な換毛現象です。こまめなブラッシングで抜け毛を取り除き、室内の清潔を保ちましょう。
<ストレスや環境の変化>
新しい家族の加入や引っ越しといった環境の変化などでストレスを感じると、過剰なグルーミングにより抜け毛が増えることがあります。猫が安心できる空間を用意し、徐々に新しい環境に慣れさせることが大切です。
<栄養不足や偏った食事>
タンパク質や必須脂肪酸、ビタミンなどが不足すると被毛の健康に影響します。バランスの取れたキャットフードを与え、必要に応じてサプリメントを検討しましょう。
<皮膚疾患やホルモンバランスの乱れ>
アレルギー、寄生虫、真菌感染、甲状腺機能亢進症などが原因で抜け毛が増えることがあります。これらは専門的な診断と治療が必要です。
快適な室内環境づくり
室内環境は、猫の健康と被毛の状態に大きく影響します。以下のポイントを意識して、愛猫にとって快適な環境を整えましょう。
<温度と湿度の管理>
夏は24〜28℃、冬は20〜24℃が目安です。湿度は50〜60%を目安に調整しましょう。
<適度な換気と日光浴>
新鮮な空気と日光は、猫の健康維持に役立ちます。適度に室内を換気し、安全に日光浴ができるスペースを用意しましょう。
<ストレスの軽減>
キャットタワーや隠れ家を用意するなど、猫が安心して過ごせる環境を作ります。
<清潔な生活空間>
定期的な掃除で、猫にとって快適な空間を維持しましょう。
動物病院への相談が必要なケース
以下のような症状がみられる場合は、獣医師への相談をおすすめします。
・皮膚の赤み、かさぶた、フケ、かゆみ、ニオイがある。
・急激に抜け毛が増えた。(特に季節の変わり目以外の時期)
・部分的な脱毛や、円形もしくは不規則な形の脱毛がみられる。
・食欲不振や活動量の減少など、全身の症状が伴う。
・嘔吐や下痢など、他の健康問題が見られる。
診察時には、抜け毛の状況(いつから・どの部位で・どの程度)や、食事内容、生活環境の変化などをできるだけ詳しく伝えましょう。正確な診断に役立ちます。
まとめ
猫の抜け毛は、自然な換毛の場合もあれば、健康上の問題のサインであることもあります。
日頃から被毛や皮膚の状態をよく観察し、異常があれば早めに気づけるようにしておくことが大切です。適切な栄養管理や快適な環境づくり、定期的なブラッシングで、愛猫の美しい被毛と健康を保ちましょう。
また、気になる変化がみられた場合は、自己判断を避けてぜひ早めに獣医師に相談してください。
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