愛犬の歩き方に異変があったら要注意!|病気のサインを見逃さないために
- 2024年11月29日
- 病気について
愛犬の歩き方がいつもと違うと気づいたとき、飼い主様としてはとても心配になりますよね。実は、歩き方の異変は体調不良や病気のサインである場合も少なくありません。
早めに気づいて対応することで、愛犬がより快適に過ごせるようになります。
今回は、犬の歩き方の異変につながる原因や考えられる病気、そして「いつもと違うかも」と感じたときの対処法について解説します。
■目次
1.犬の正常な歩き方とは?
2.歩き方がおかしくなる主な原因
3.異常な歩き方の種類と特徴
4.すぐに病院を受診すべき症状
5.家庭でできるケアと予防法
6.まとめ
犬の正常な歩き方とは?
愛犬が健康で快適に過ごしているかを知るために、歩き方のチェックはとても大切です。犬の正常な歩き方の特徴は、体重を均等にかけながら、リズムよく歩いていることです。
ただし、犬種や年齢によって歩き方に少し違いが出る場合もあります。そこで、以下のポイントを確認してみましょう。
・体重のかけ方:前足と後足に均等に体重がかかっているか
・リズム:歩行のリズムが一定でスムーズか
・姿勢:背中がまっすぐで、頭が自然に持ち上がっている状態か
もし「ちょっといつもと違うかも」と感じた場合は、スマートフォンなどで愛犬の歩き方を撮影し、落ち着いて見直すのも良い方法です。
それでも判断が難しいときや違和感がある場合は、獣医師に相談しましょう。
歩き方がおかしくなる主な原因
歩行の異常は、ケガや慢性的な病気、またはその他の要因によって引き起こされることがあります。
<ケガや事故による場合>
・脱臼、骨折、打撲
ケガが原因となり、歩行に異常が出ることがあります。転倒や衝突などの事故が主な原因です。
・過度な運動
激しい運動を続けると筋肉や関節に過度な負担がかかり、痛みや炎症を引き起こすことがあります。散歩のペースや運動量を見直すことが大切です。
<慢性的な病気が原因の場合>
・膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝のお皿の骨がずれることで歩行に異常が出ます。特に小型犬に多いですが、大型犬でも見られることがあります。
・股関節形成不全
股関節の発育に問題があると、後ろ足に力が入らなくなります。大型犬に多く、歩き方に違和感が現れることがあります。
・椎間板ヘルニア
脊椎の異常で、神経が圧迫されることで歩行に異常が現れ、進行すると麻痺や立ち上がれなくなることもあります。特にミニチュア・ダックスフンドやコーギーなどに多く見られます。
・関節炎
高齢の犬によく見られる病気で、関節の痛みや硬直が原因で歩行に異常が現れます。
<その他の原因>
・爪が伸びすぎている
長く伸びた爪が指に刺さるなどして、歩くたびに痛みを感じることがあります。定期的な爪切りが必要です。
・肉球のケガ
小枝やトゲが刺さったり、熱い地面を歩いて火傷を負ったりすると、歩行が困難になります。散歩の前後に肉球のチェックをしてあげましょう。
異常な歩き方の種類と特徴
愛犬の歩き方に違和感を覚えたとき、その原因を見極めるヒントになるのが歩行の特徴です。異常な歩き方にはいくつかの種類があり、それぞれに考えられる原因があります。
<足を引きずる・つまずく場合>
神経系の問題や筋肉の弱さが原因となっていることが多いです。
関節に痛みがあると、その部位をかばうために周りの筋肉をあまり使わなくなり、次第に筋肉が衰えてしまうこともあります。
<片足をかばう・足をつかない場合>
片方に体重が寄っているような歩き方をする場合は、ケガや関節の問題が考えられます。
ケガや捻挫、さらには骨や関節の病気が原因で起こることが多いです。
<後ろ足の力が入らない場合>
後ろ足がしっかりと動かず、腰が不安定な状態になったり、滑ったりしてすぐに座り込んでしまう場合、股関節形成不全や椎間板ヘルニアが疑われます。
特に中型犬や大型犬、椎間板ヘルニアの発症リスクが高い犬種に見られることがあります。
<スキップする、足を上げる>
歩く際に膝の曲げ伸ばしがぎこちなく、不自然な歩き方をする場合があります。
膝蓋骨脱臼(パテラ)が原因で起こることが多く、特に小型犬によく見られる症状の一つです。
すぐに病院を受診すべき症状
愛犬の歩行に異常が見られたとき、動物病院を受診するタイミングに迷うこともあるかもしれません。
触れると痛がる、鳴いて反応するなど明らかに痛みを感じている様子が見られる場合や、突然立ち上がれなくなる、歩くことが難しくなるのような状態が見られるときは、速やかに診察を受けることが大切です。
また、足を引きずるなど、普段とは明らかに違う歩き方をしている場合も注意が必要です。
「少し様子を見てみよう」と思うこともあるかもしれませんが、このような場合は放置せず、早めに動物病院で診断を受けるようにしましょう。
また、症状がなかなか改善しない場合や、診断や治療に不安がある場合は、セカンドオピニオンを検討するのも良い選択です。
家庭でできるケアと予防法
愛犬の健康を守るためには、毎日のケアと予防が欠かせません。
適度な運動を取り入れつつ、過度な運動は避けるようにしましょう。特に痛みがある場合には無理をさせず安静にすることが大切です。
また、肥満は関節に大きな負担をかけてしまうため、適正体重を維持するように食事や運動量を見直してみてください。
ミニチュア・ダックスフンドのように椎間板ヘルニアになりやすい犬種の場合は、階段の上り下りに注意が必要です。関節に負担をかけないよう、階段では抱っこして移動させてあげると安心です。
また、高齢の犬には、関節をサポートするサプリメントを取り入れる、柔らかい寝床を用意する、滑りにくい床材を敷くといった工夫をすることで、快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。
さらに、爪が伸びすぎないように定期的に爪切りを行い、肉球に傷や異常がないかもこまめにチェックしてください。
まとめ
犬の歩き方に見られる異変は、さまざまな病気や体の不調のサインであることが多いです。犬は自分で痛みを訴えることができないため、飼い主様が日頃から注意深く観察することが、健康を守る大切な第一歩となります。
「ちょっといつもと違うかも」と感じた些細な変化でも、気軽に動物病院に相談してみてください。早めの対応が、愛犬の元気な生活を守ることにつながります。
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