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知らないと危険?愛犬・愛猫の抜け毛の原因について獣医師が解説|八幡みなみ動物病院|市川市の動物病院

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知らないと危険?愛犬・愛猫の抜け毛の原因について獣医師が解説

知らないと危険?愛犬・愛猫の抜け毛の原因について獣医師が解説|八幡みなみ動物病院|市川市の動物病院

知らないと危険?愛犬・愛猫の抜け毛の原因について獣医師が解説

ソファや洋服にふわっと残る抜け毛を見つけて「うちの子、こんなに毛が抜けて大丈夫?」と不安になることはありませんか?特に春や秋の季節の変わり目には、抜け毛が増えて掃除もひと苦労という飼い主様も多いと思います。

犬や猫にとって、毛が抜けること自体はごく自然な現象です。しかし中には、病気が原因の“病的な脱毛”が隠れているケースもあり、注意が必要です。

今回は、正常な換毛と異常な脱毛の違い、受診の目安、家庭でできる抜け毛対策について詳しく解説します。

■目次
1.犬や猫の「正常な換毛」とは?|季節性の抜け毛について
2.注意したい「病的な脱毛」とは?|異常サインと主な原因
3.動物病院を受診すべき脱毛のサインとは?
4.ご家庭でできる抜け毛対策と日常のケア
5.よくある質問(Q&A)
6.まとめ|抜け毛を見逃さず、健康管理の一環に

 

犬や猫の「正常な換毛」とは?|季節性の抜け毛について

犬や猫には「換毛期」と呼ばれる毛の生え変わりの時期があり、春と秋の年2回、季節に合わせて古い毛が抜けて新しい毛が生え変わります。これは人間で言う“衣替え”のようなもので、体温調整のための自然な仕組みです。

また、犬種・猫種や毛質によって抜け毛の量やタイミングは大きく異なります。

<毛質による違い>

▼ダブルコート(柴犬、ゴールデン・レトリバー、マンチカンなど)
外側の「オーバーコート」と内側の「アンダーコート」があり、換毛期にはごっそり毛が抜けます

▼シングルコート(プードル、マルチーズ、シャム猫など)
アンダーコートがなく、抜け毛が少ない傾向。換毛期も目立ちません。

<毛の長さによる違い>

▼長毛種(ペルシャ、ラグドール、コリーなど)
毛が長く、抜け毛が目立ちやすい。毛玉になりやすいため、こまめなケアが重要です。

▼短毛種(アメリカン・ショートヘア、ビーグルなど)
細かい毛が舞いやすく、家の中に散らばりがち。掃除に苦労することもあります。

このように、毛質・犬猫種ごとの特性を理解し、季節に応じたケアを行うことが大切です。

 

注意したい「病的な脱毛」とは?|異常サインと主な原因

正常な換毛と異なり、部分的に毛がごっそり抜ける皮膚に赤みがあるかゆみが強いといった場合には、「病的な脱毛」のおそれがあります。

<主な原因として考えられるもの>

皮膚炎・アレルギー性皮膚炎
花粉やハウスダスト、食事などのアレルゲンにより皮膚が炎症を起こし、かゆみや脱毛を伴います。

ノミ・ダニなどの寄生虫感染
耳のまわりや後肢のつけ根などに脱毛が見られ、強いかゆみを訴えることもあります。

ノミ・マダニについてはこちらから

・内分泌疾患(例:甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症)
ホルモンのバランスが崩れると、左右対称の脱毛や毛のパサつきなどがゆっくりと進行します。

犬の甲状腺機能低下症についてはこちらから
犬の副腎皮質機能亢進症についてはこちらから

真菌(カビ)感染
免疫力が下がっている猫や子犬・子猫でよく見られます。円形脱毛やフケ、かさぶたが特徴です。

ストレス・過剰なグルーミング
環境の変化などによるストレスで、特に猫では自分の毛を舐めすぎて脱毛することがあります。

こうした脱毛のポイントは「抜け方の異常」と「皮膚の変化」です。見た目の違和感に気づいたら、放置せず早めの対応を心がけましょう。

 

動物病院を受診すべき脱毛のサインとは?

以下のような症状が見られる場合は、自然な換毛ではなく、何らかの異常があるおそれがあります。なるべく早めに動物病院を受診することをおすすめします。

同じ場所に繰り返し脱毛がある
皮膚が赤くなっている、かゆみが強い
毛がベタつく、フケが多い
かさぶたやただれがある
左右対称に毛が薄くなってきた
元気がない、食欲が落ちている

これらの症状が見られるときは、皮膚トラブルだけでなく、内臓疾患やホルモン異常が隠れている場合もあります。動物病院では、皮膚検査や血液検査、ホルモン検査などを行い、原因に合わせた治療を進めていきます。

 

ご家庭でできる抜け毛対策と日常のケア

抜け毛の悩みを軽減し、健康な被毛を維持するためには、日頃のケアがとても重要です。

ブラッシング
毛質に合ったブラシで週数回〜毎日のケアを。毛玉の予防や血行促進にもつながります。

シャンプー
皮膚に優しい製品を使い、必要な頻度で。洗いすぎはかえってトラブルの元になるため注意しましょう。

栄養バランスの取れたフード選び
オメガ3脂肪酸ビタミンA・Eなど、被毛や皮膚に良い栄養素を意識的に取り入れましょう。

ストレス対策
安心して過ごせる静かな環境づくり、生活リズムの安定などが心の健康にもつながります。

日々のケアを通じて、異常の早期発見にもつながる観察習慣を意識しましょう。

 

よくある質問(Q&A)

Q:換毛期に向けて、何か準備しておくべきことはありますか?
A:こまめなブラッシング、空気清浄機の活用、掃除しやすいインテリアの工夫などが役立ちます。抜け毛が本格化する前に準備しておくことで、快適に乗り切ることができます。

Q:抜け毛に効くサプリメントやフードはありますか?
A:効果が期待できる製品もあります。オメガ3脂肪酸スキンケアに配慮した療法食などが代表例です。ただし、体質や病歴により向き不向きがありますので、まずは獣医師と相談のうえ導入することをおすすめします。

 

まとめ|抜け毛を見逃さず、健康管理の一環に

抜け毛は、犬や猫にとって自然な現象であると同時に、健康状態を知るための大切なサインでもあります。正常な換毛なのか、それとも病気の兆候なのかを見極めるには、日々の観察と正しい知識が不可欠です。

「なんだか気になる」「この抜け毛は大丈夫かな?」と感じたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。飼い主様と一緒に、愛犬・愛猫の健康をサポートいたします。

 

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