愛犬・愛猫の健康を守る!|定期健康診断の重要性と内容について解説
- 2024年10月18日
- 病気について
犬や猫の定期健康診断は、愛犬や愛猫が長く健康で過ごすために欠かせないものです。人間と同じように、ペットも定期的な診察を受けることで、病気の早期発見と早期治療につなげることができます。
今回は、健康診断の適切な頻度や必要な検査について、詳しく解説いたします。
■目次
1.定期健康診断の重要性
2.健康診断の推奨頻度
3.一般的な健康診断の内容
4.健康診断前の準備
5.健康診断後のフォローアップ
6.健康診断で発見される一般的な問題
7.まとめ
定期健康診断の重要性
犬や猫は、体調が悪くても違和感があっても、言葉で伝えることができません。そのため、飼い主様が異変に気づいたときには、すでに症状が進行している場合もあります。しかし、定期的な健康診断を受けることで健康なうちに異常を早期に発見し、治療を開始できるため、治療の効果を高めることが期待できます。
さらに、健康診断を通じて予防医療や年齢に合った食事、日々のケアに関するアドバイスを受けることで将来の病気を予防し、健康寿命を延ばすことも可能です。
健康診断の推奨頻度
犬や猫の健康診断の頻度は、それぞれの年齢や健康状態に応じて異なりますが、頻繁に受けることがデメリットになることはありません。
目安として、以下の頻度を参考にしてください。
<子犬・子猫期(〜1歳):1年に2〜3回>
この時期は、先天性疾患やブリーダー・ペットショップで感染した病気の影響を受けやすい時期です。お迎えしてから1週間後に1回、生後半年と1歳ごろに1回ずつ受けることが理想です。
<成犬・成猫期:1年に1回>
この時期は比較的健康で病気が少ないですが、日常のケアがしっかりできているかを確認するためにも、少なくとも1年に1回は健康診断を受けておくと安心です。
<シニア期(7歳〜):1年に2〜3回>
シニア期に入ると、病気のリスクが増えてきます。この時期はこまめな健康チェックが重要で、早期発見と早期治療を目指しましょう。11歳を超える高齢になった場合は、さらに頻度を上げることをおすすめします。
一般的な健康診断の内容
標準的な健康診断で行われる主な検査項目は、以下の通りです。
・体重測定
体重の変動は、健康状態を知る上での基本的なバロメーターです。大きな変化がないか確認し、もし変動があれば、その原因を探ります。
・体温測定
体温を測ることで、感染症や内分泌疾患などの疑いがないかをチェックします。
・目・耳・口腔内のチェック
日々のケアが正しくできているか、病気による異常がないか、スケーリング(歯石取り)が必要かどうかを確認します。
・聴診器による心音・肺音チェック
聴診により、心臓や肺に異常がないかを確認します。心臓や呼吸器の病気の早期発見に役立ちます。
・触診
皮膚や被毛の状態を確認し、さらに手で触れる範囲の臓器の形や大きさもチェックします。
・血液検査
内臓の機能に異常がないか、また感染症や炎症の有無を調べます。
・尿検査
尿の性状や沈渣(尿中に含まれる成分)を確認し、結石のリスクがないかを調べます。
健康診断前の準備
健康診断を受ける当日は、血液検査の結果に影響が出る可能性があるため絶食がよいでしょう。水は与えても問題ありませんが、食事をしている場合、一部の検査項目に影響が出て正確な判断ができないことがあります。
また、普段の生活で気になることや体重や食欲の変化があれば、メモをして獣医師に伝えましょう。疑わしい病気がある場合は、必要に応じて追加の検査を行うことも可能です。
事前に問診票を入手できる場合は、あらかじめ記入しておくとよいでしょう。診察当日は、愛犬や愛猫が緊張することも多いため、伝えたいことを聞きそびれてしまう可能性もありますので、準備を整えておくと安心です。
健康診断当日は、犬や猫にできるだけストレスを与えないように工夫してあげましょう。安心できるクレートや慣れた毛布を用意し、猫の場合は洗濯ネットに入れて移動するなど、少しでも安心できる環境を整えてあげることが大切です。
健康診断後のフォローアップ
健康診断が終わったら、結果の説明をしっかりと聞き、同居する家族にも共有しましょう。診断結果はファイルなどに保管し、毎年の健康状態の変化を確認しておくと安心です。
もし精密検査や治療が必要であれば次回の予約を取り、早めに対応を始めることが大切です。また、病気の説明だけでなく、生活習慣の改善が必要な場合は、獣医師からの指示をメモしておき、日々のケアに活かしましょう。
健康診断で発見される一般的な問題
定期健康診断でよく見つかる健康問題には、以下のようなものがあります。
・歯石の付着・歯周病
歯石が付着して歯周病が進行している場合は、スケーリング(歯石除去)や、歯磨き方法の見直しが必要です。日々のケアが重要になります。
・肥満
飼い主様から見ると、あまり変わらないように見えても、長期的に見ると体型の変化が見られることがあります。肥満は心臓をはじめ、さまざまな臓器に負担をかけるため、獣医師から指導があれば、食事や運動の見直しを行いましょう。
・寄生虫感染
特に若い犬や猫の健康診断でよく見つかる問題です。発見された場合は、駆虫薬の投与が必要になります。
・初期の腎臓病・心臓病
高齢の犬や猫では、腎臓病や心臓病が徐々に進行していることがあります。早めに治療を開始することで、治療効果が高まります。定期的な健康診断での早期発見が重要です。
・甲状腺機能の異常
猫では甲状腺機能亢進症、犬では甲状腺機能低下症が高齢期に見つかることがあります。これらの疾患は投薬や場合によっては手術による治療が必要です。
猫の甲状腺機能亢進症についてはこちらで解説しています
犬の甲状腺機能低下症についてはこちらで解説しています
まとめ
健康診断は、病気の早期発見や治療、そして生活習慣の見直しに非常に役立ちます。特に高齢期に入ると見た目ではわからない病気が進行していることもあるため、定期的な検査が重要です。
大切な愛犬や愛猫がより長く健康に過ごせるよう、定期的な受診を忘れずに行いましょう。
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