愛犬や愛猫の口臭の原因は歯石かも?|動物病院での対策と毎日のケア法
- 2024年11月19日
- 病気について
「最近、愛犬や愛猫の口臭が気になる…?」と感じたことはありませんか?
実は、口臭は単なる不快な匂いではなく、健康に関わる重要なサインであることが多いです。
口の中をきちんとケアすることは、全身の健康に大きく影響します。反対に、ケアを怠ると歯周病や内臓疾患など、さまざまな病気のリスクが高まってしまうこともあります。
今回は、その原因のひとつである「歯石」に注目し、健康な口内環境を維持するための具体的な対策をご紹介します。
■目次
1.犬や猫の口臭の主な原因とは?
2.歯石を放置するリスクとは?
3.歯石除去(スケーリング)とは?
4.自宅でできる犬や猫の口臭予防
5.動物病院でのケアと自宅ケアの組み合わせによる歯のケア
6.まとめ
犬や猫の口臭の主な原因とは?
犬や猫の口臭の主な原因は歯石です。歯石は、食べかすや唾液中の細菌が結びついてできた歯垢が固まったものです。さらに、犬や猫の場合、歯垢はわずか3〜5日ほどで歯石に変わってしまいます。
この歯石が溜まってしまうと歯茎が炎症を起こし、歯周病に進行します。これが原因で強い口臭が発生するだけでなく、進行すると歯が抜け落ち、感染が体内に広がるリスクも高まります。
歯周病を放置すると日常生活の質が下がるだけでなく、全身の健康に悪影響を与えることもあるため、早めのケアが重要です。
もちろん、食べ物の影響や腎臓病や肝臓病などの全身疾患が原因となる場合もありますが、ほとんどの口臭は歯石の蓄積が関係しています。そのため、毎日の口腔ケアに加え、定期的に動物病院でチェックを受けることが健康な口内環境を維持するための重要なポイントとなります。
歯石を放置するリスクとは?
歯石を放置すると歯周病が進行し、さまざまな健康トラブルの原因になることがあります。
初期には歯茎の腫れや出血が見られる程度でも、進行すると歯がぐらつき、やがて歯槽膿漏(しそうのうろう)を引き起こし、歯が抜け落ちることもあります。
歯周病が怖いのは、菌が血流に乗って全身に広がり、心臓病や腎臓病といった深刻な病気を引き起こすリスクがあることです。
この影響で心臓病や腎臓病などの深刻な全身疾患を引き起こすリスクが高まります。口内の健康が全身の健康に密接に関係しているため、歯石を放置することは見過ごせません。
こうしたリスクを避けるには、早めの対応が欠かせません。症状が進む前に適切なケアを行えば、愛犬や愛猫の健康をしっかり守ることができます。
そのために必要なのが、専門的な歯石除去(スケーリング処置)です。
動物病院で行われるスケーリングは、歯に付着した歯石を根本から取り除き、歯周病の進行を防ぐ効果が期待できます。
歯石除去(スケーリング)とは?
スケーリングは、獣医師が行う専門的な歯石除去の処置で、通常全身麻酔を使用して行います。全身麻酔をかけることで、犬や猫が痛みや不安を感じることなく、リラックスした状態で安全に処置が行えるようになります。
また、歯の裏側や歯周ポケットの奥など、自宅でのケアでは届かない部分までしっかり確認しながら処置するため、全身麻酔は欠かせません。
スケーリングでは、超音波スケーラーなどの専用機器を使って、隅々まで丁寧に歯石を取り除きます。処置後には、歯の表面を磨いて滑らかに仕上げ、新しい歯垢がつきにくい状態に整えます。
こうしたケアにより、自宅での歯磨きでは落としきれない頑固な歯石も、しっかりと除去できるのがスケーリングの大きなメリットです。
自宅でできる犬や猫の口臭予防
獣医師による専門的なケアと並行して、自宅でのデイリーケアもとても重要です。毎日の習慣として取り入れることで、愛犬や愛猫の健康をしっかりサポートできます。
<毎日の歯磨きが基本>
口臭予防で最も効果的なのは、やはり毎日の歯磨きです。専用の犬猫用歯ブラシと歯磨き粉を使い、歯と歯茎の境目を優しく丁寧にブラッシングしてあげましょう。
慣れていないうちは嫌がることもありますが、焦らずに少しずつ進め、遊び感覚で慣れさせると続けやすくなります。
歯磨きを毎日続けることで、歯石の蓄積を防ぎ、口内の健康が保たれます。
<デンタルケア用のおやつや食事の活用>
どうしても歯磨きが難しい場合は、デンタルケア用のおやつやフードを取り入れるのも効果的です。これらの製品は、咀嚼することで歯垢を減らし、歯石の形成を予防する働きが期待できます。普段の食事と組み合わせて使用することで、無理なくケアを続けられるでしょう。
<定期的な口内チェック>
日常的に口の中をチェックする習慣も大切です。歯茎の腫れや出血、口臭の強まりなどの異常に気づいたら、早めに獣医師に相談しましょう。早期の対応が、症状の進行を防ぐためのカギとなります。
動物病院でのケアと自宅ケアの組み合わせによる歯のケア
健康な口内環境を保つには、動物病院でのケアと自宅でのデイリーケアの組み合わせが効果的です。
年に1回のスケーリングで歯石をしっかり取り除き、毎日の歯磨きを習慣化することで、歯周病のリスクを大幅に減らせます。
さらに、定期的な歯科検診で口内の異常を早期に発見し、悪化する前に対処することも大切です。
まとめ
口臭は単なる不快な匂いの問題ではなく、犬や猫の健康状態を映し出す大切なサインです。
歯石の蓄積を防ぎ、健康な口内環境を保つためには、動物病院でのスケーリングと自宅でのデイリーケアをバランスよく取り入れることが大切です。
愛犬や愛猫が、いつまでも元気で幸せな生活を送れるように、今日から口腔ケアを始めてみませんか?
もし、口臭や歯の状態が気になる場合は、ためらわずに獣医師に相談してみましょう。
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