犬の咳が止まらない?原因と対処法、病院受診のタイミング
- 2025年4月11日
- 病気について
愛犬が咳をし続けていると、飼い主様は「この咳は放っておいていいのだろうか?」「何か深刻な病気が原因では?」と心配でたまらなくなるかと思います。
犬の咳にはさまざまな原因があり、早期に診断・治療が必要なケースも少なくありません。しかし、冷静に症状を観察し、適切な対応をすることで、多くの場合改善が期待できます。
今回は、犬の咳の原因や対処法、動物病院を受診するタイミングについて詳しく解説します。
■目次
1.犬の咳の種類と特徴
2.咳が止まらない主な原因
3.動物病院を受診すべきタイミング
4.予防と日常のケア
5.観察と記録の重要性
6.まとめ
犬の咳の種類と特徴
犬の咳には主に「乾いた咳」と「湿った咳」の2種類があります。
<乾いた咳>
「カッカッ」「ケンケン」といった音で、喉に何かが引っかかったような印象を受けます。気管や気管支に刺激や炎症がある場合に多く見られます。
<湿った咳>
「ゴホゴホ」「ガーガー」という音で、痰が絡んだような様子を示します。このタイプは、気管支や肺に水分や分泌物がたまっていることが考えられます。
咳の種類を把握することは、原因を探るための重要な手がかりになります。
咳が止まらない主な原因
犬が咳をし続ける場合に考えられる主な原因は、以下のとおりです。
<気管虚脱>
特に小型犬に多く見られる疾患で「ガチョウの鳴き声」のような咳が特徴的です。興奮時や運動後に発症しやすくなります。
<気管支炎>
最初は乾いた咳から始まり、進行すると湿った咳に変化します。
<心臓病>
僧帽弁閉鎖不全症などの心臓疾患が原因となる場合があります。夜間や運動後に咳が増え、徐々に息切れや運動を嫌がるようになります。
<感染症>
ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)が代表的です。乾いた咳を伴い、鼻水や発熱が見られることもあります。
<アレルギー>
ハウスダストや花粉などが刺激となり、咳を引き起こすことがあります。
動物病院を受診すべきタイミング
以下のような症状がある場合は、早急に動物病院を受診してください。
・呼吸が苦しそうに見える、または口を開けて呼吸をしている
・食欲や元気がなく、日常の行動に明らかな変化がある
・咳が3日以上続き、徐々に頻度や強さが増している
・咳が夜間や安静時にも見られる
軽い咳で食欲や元気が通常と変わらない場合は、1〜2日様子を見ても問題ないでしょう。もし判断に迷う際は動物病院に電話で相談することをおすすめします。
予防と日常のケア
愛犬の咳を予防するためには、次のポイントを意識しましょう。
<清潔な環境を維持する>
こまめな掃除と換気を心がけ、室内を清潔に保つことが基本です。さらに、犬が過ごす場所に花粉やハウスダストが溜まらないよう、空気清浄機の使用を検討しても良いでしょう。また、適度な湿度管理も重要です。
<体重を適切に管理する>
肥満は心臓や呼吸器に負担をかけるため、バランスの取れた食事と適度な運動を取り入れた健康管理が重要です。運動は、犬の体力や年齢に合わせて無理のない範囲で行いましょう。フード選びも、栄養バランスが良く、低カロリーのものを選ぶことで肥満予防に役立ちます。
<刺激物を避ける>
タバコの煙や香りの強い製品は、咳を引き起こすことがあるため、愛犬のいる空間での使用は控えてください。また、消臭スプレーやアロマオイルなど、揮発性のある物質も刺激となることがあるため、安全性を確認した上で使用するように心がけましょう。
<定期健診を受ける>
年に1〜2回の健康診断は、潜在的な病気を早期に発見するために非常に重要です。特に咳などの症状が見られる場合は、心臓や呼吸器の状態を確認するための特別な検査を依頼することも検討しましょう。獣医師と定期的にコミュニケーションを取り、健康管理のアドバイスを受けることもおすすめです。
観察と記録の重要性
愛犬が咳をする場合、その様子を詳細に記録しておくことは診断の大きな助けとなります。
・咳の頻度やタイミング
・咳の音の特徴(乾いた音か湿った音か)
・咳の際の体勢や行動
可能であれば、咳の様子を動画で撮影し、獣医師に見せることで、より的確な診断につながります。
まとめ
犬の咳が止まらない状況は心配ですが、冷静に対応することが大切です。日常の観察とケアを行いながら、気になる症状があれば早めに動物病院に相談してください。獣医師のサポートを受けながら、愛犬の健康を守るための最善の対策を講じていきましょう。
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