愛犬の舌が紫色になったら要注意!犬のチアノーゼのサインと緊急時の対処法
- 2026年3月31日
- 病気について
元気そうに見えるけれど、なんとなく舌の色が気になる…そんな小さな違和感が、大切なサインになることがあります。
犬の舌や歯ぐきは、体の中で起きている変化を映し出しやすい場所です。舌の色の変化は、呼吸や心臓の働きと深く関係しており、体が十分な酸素を取り込めていない状態を示していることがあります。とくに呼吸が荒い、ぐったりしているといった様子が重なる場合には、緊急性が高いケースもあるため注意が必要です。
今回は、正常な舌の色との違いから、舌が紫色になる原因、そして緊急時の対応や受診の目安まで、飼い主様が知っておいていただきたいポイントを解説します。

■目次
1.正常な舌の色と異常な舌の色の違い
2.舌が紫色になる原因|犬のチアノーゼとは?
3.ご自宅でできる観察・応急対応のポイント
4.動物病院での検査と治療の流れ
5.まとめ
正常な舌の色と異常な舌の色の違い
健康な犬の舌や歯ぐきは、やや赤みのあるピンク色をしています。これは、血液中に十分な酸素が含まれ、全身にしっかり運ばれている状態を示しています。
一方で、次のように見える場合は、酸素の取り込みや循環がうまくいっていないおそれがあります。
・紫色
・青紫色
・灰色がかった色
確認するときは、舌だけでなく歯ぐきや唇の内側も一緒に見てみましょう。光の加減で色が違って見えることがあるため、明るい場所で確認することが大切です。
また、写真や動画で記録を残しておくと、動物病院で状態を伝える際の助けになります。普段から「その子の健康なときの舌の色」を知っておくことも、いざというときの判断材料になります。
舌が紫色になる原因|犬のチアノーゼとは?
犬の舌が紫色に見えるとき、代表的な原因のひとつが「チアノーゼ」です。チアノーゼとは、血液中の酸素が不足することで、舌や歯ぐきなどの粘膜が紫色に変化する状態を指します。
主な原因には、次のようなものがあります。
・僧帽弁閉鎖不全症、心筋症などの心臓病
・肺炎、気管虚脱、気胸などの呼吸器疾患
・重度の貧血
・熱中症やショック状態
・誤食や腫瘍などによる気道の閉塞
また、短頭種(パグ、フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグ、ボストン・テリア、シー・ズーなど)は、もともと呼吸がしにくい構造のため、チアノーゼを起こしやすい犬種とされています。興奮時や運動後に呼吸が荒くなりやすいため、日頃から舌の色や呼吸の様子を意識して観察してあげることが大切です。
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ご自宅でできる観察・応急対応のポイント
舌の色がいつもと違うと感じたときに、愛犬の状態をより正確に把握しやすくなるポイントをご紹介します。
<観察のポイント>
まずは落ち着いて、次の点を順番に確認しましょう。
・舌や歯ぐきの色が、紫色や青紫色になっていないか
・呼吸が普段より速くなっていたり、浅くなっていたりしないか
・ゼーゼー・ヒューヒューといった異常な呼吸音がないか
・ぐったりしていないか、立てているか
・意識がはっきりしているか
あわせて、ここ数日〜最近の様子として、
・咳が増えていないか
・運動後に極端に疲れやすくなっていないか
・フラッとしたり、失神のような様子がないか
といった変化も大切な情報になります。
<応急対応>
飼い主様が慌ててしまうと、その緊張は愛犬にも伝わってしまいます。まずは深呼吸をして、落ち着いて対応しましょう。
・胸を圧迫しないよう、楽な姿勢をとらせる
・首をまっすぐにして、空気が通りやすい状態を保つ
・涼しい場所へ移動し、エアコンなどで体温の上昇を防ぐ
呼吸が苦しそうな様子や舌の色の変化がみられる場合、状況によっては熱中症が関係していることもあります。直前の環境や体の触れた感じなどから、体が熱くなりすぎていないかにも目を向けてみてください。
また、舌の紫色がしばらく続く、なかなか元の色に戻らないといった場合は「少し様子をみる」ことで判断が遅れてしまうこともあります。酸素不足は命に関わる状態であることも多いため、早めに動物病院に相談することが大切です。
動物病院での検査と治療の流れ
チアノーゼが見られる場合は「体の中で何が起きているのか」をできるだけ早く、そして正確に把握することが重要になります。
まず行うのは、聴診による心音や呼吸音の確認、そして必要に応じた血中酸素濃度の測定です。これらを通して、呼吸や心臓の働きに緊急性がないかを見極めます。
そのうえで、状態に応じて次のような検査を組み合わせながら、原因を丁寧に探っていきます。
・血液検査:酸素を運ぶ赤血球の状態や、貧血の有無を確認します
・レントゲン検査:心臓や肺の大きさ、形、肺の状態を確認します
・エコー検査:心臓の動きや血流の様子を詳しく確認します
検査と並行して、まずは全身への酸素供給を確保し、呼吸を落ち着かせることを最優先に対応します。状態が安定してきた段階で、原因に応じた治療へと進んでいきます。
<原因に応じた治療の一例>
・心臓病が関係している場合:心臓への負担を減らす内科治療を行います
・呼吸器の炎症が疑われる場合:抗生剤や抗炎症薬を用いて、炎症の改善を図ります
・気道の閉塞が疑われる場合:必要に応じて外科的な処置を検討します
症状の程度によっては、呼吸状態を継続的に確認するため、入院下での管理が必要になることもあります。その際も、治療の目的や見通しについて丁寧にご説明しながら、飼い主様と相談のうえで進めていきます。
まとめ
舌の色の変化は、愛犬の体が発している重要なSOSのサインです。とくに紫色や青紫色に見える場合は、チアノーゼが起きているおそれがあり、状況によっては命に関わることもあります。
だからこそ、まずは健康なときの舌や歯ぐきの色を知っておくことが、いざというときの判断を助けてくれます。そのうえで「いつもと違うかも」と感じたときは、早めに動物病院へ相談することが安心につながります。
八幡みなみ動物病院では、舌の色の変化や呼吸の状態など、気になるサインについて丁寧にお話を伺いながら、その子の状態に合わせた検査や対応を行っています。少しでも不安を感じた際は、どうぞお気軽にご相談ください。
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