犬のよだれが多いときの原因と対処法|危険なサインと受診の目安
- 2026年1月6日
- 病気について
「最近よだれの量が多い気がする」「口のまわりがいつも濡れている」そんな変化に気づくと、心配になりますよね。
よだれは、食べ物を見たときや暑い日のパンティングなど、生理的な反応として自然に出ることも多い一方で、病気のサインとしてあらわれることもある大切な変化です。
今回は、犬のよだれが増える原因や、受診を検討すべきサイン、そして診察で行われる検査や治療についてご紹介します。

■目次
1.正常なよだれと異常なよだれの違い
2.犬のよだれが多くなる主な原因
3.ご自宅での観察ポイントと注意事項
4.動物病院で行う検査と治療の流れ
5.まとめ
正常なよだれと異常なよだれの違い
犬のよだれには、問題のない“正常なもの”と、注意が必要な“異常なもの”があります。いつもと違う様子が見られたときには、体調の変化を見極めるきっかけになることもあります。
<正常なよだれ>
一時的な刺激による生理的なよだれで、以下のような場面で見られます。
・食べ物を見たり、匂いを嗅いだとき
・興奮・緊張したとき(ドッグランや動物病院など)
・車酔いをしたとき
また、犬種によってもよだれの量には差があります。セントバーナードやマスティフなどの大型犬は、口の構造上よだれが多く出やすい傾向があります。
<異常が疑われるサイン>
次のような場合は、病気やケガの可能性を考える必要があります。
・よだれの量が急に増えた
・粘り気が強く、糸を引くような状態
・よだれに血や泡が混じる
・口臭が強くなった
・口がうまく閉じられない
「いつもと少し違うな」「この状態が続いているな」と感じたときは、早めにご相談いただくのがおすすめです。
犬のよだれが多くなる主な原因
よだれの増加には、口の中のトラブルから全身の異常まで幅広い原因があります。
・口腔内のトラブル(最も多い原因)
歯周病、歯の破折、口内炎、異物が刺さっているなど、口の中の痛みや炎症でよだれが増えることがあります。口臭や食欲の低下、片側だけで噛むといった行動が見られることもあります。
・中毒や誤食
観葉植物や薬品、チョコレート・玉ねぎなどの食品を口にした場合、突然のよだれ増加と吐き気・震えが見られることがあります。これらは命に関わる中毒のおそれもあるため、早急な対応が必要です。
・消化器・神経系の異常
胃の不調や神経疾患があると、吐き気やけいれん、飲み込みにくさ(嚥下障害)などを伴ってよだれが増えることがあります。
・熱中症
暑い季節に、パンティング(ハァハァとする呼吸)とともに大量のよだれが出る場合は、熱中症の疑いがあります。舌の色が赤く、ぐったりしている場合は特に注意が必要です。
・口やのどの腫瘍
慢性的によだれが続く、口の片側が腫れている、出血や食欲不振があるときは、腫瘍の場合もあります。
口の中の異常だけでなく、体全体の異常が原因となることも多いため、注意が必要です。
ご自宅での観察ポイントと注意事項
よだれの原因を見極めるためには、日常の様子を丁寧に見てあげることがとても大切です。焦らず落ち着いて、愛犬のいつもの様子と比べながら観察してみましょう。
<観察するポイント>
次のような点を意識して見ておくと、診察時に役立ちます。
・よだれの色・粘度・におい・混じり物(血・泡など)
・食欲や飲水量、元気の有無
・体の震えや呼吸の速さの変化
<口の中を見るときの注意>
口の中を確認したい場合は、無理をしないことが大切です。
痛みがある場合、思わぬ反射で咬んでしまうこともあります。嫌がる様子が見られたり、出血があるときは、無理に続けずに中止し、動物病院に相談しましょう。
<応急的な対応>
もし急な症状に気づいた場合は、次の点を参考にしてください。
・誤食が疑われる場合
口の中を無理に触ったり、すすいだりせず、すぐに動物病院へご連絡ください。
飲み込んだ物によっては、処置の早さが回復を左右することもあります。
・熱中症の疑いがある場合
風通しのよい涼しい場所で安静にさせ、冷たいタオルなどで体をやさしく冷やします。
水は無理に飲ませず、少しずつ与える程度にとどめ、できるだけ早く受診してください。
日々の小さな変化に気づいてあげられるのは、いつも一番そばにいる飼い主様だからこそです。「おかしいな」と思ったときは、早めに動物病院に相談しましょう。
動物病院で行う検査と治療の流れ
よだれが増える原因を正確に見つけるためには、口の中の状態だけでなく、全身の健康をあわせて確認することが大切です。一見すると口のトラブルのように見えても、内臓や神経など体の中の異常が関係している場合もあります。
<診察・検査>
まずは、飼い主様からこれまでの経過を丁寧に伺い、愛犬の様子を一緒に確認していきます。いつから症状が出ているか、食欲や元気の有無、嘔吐・けいれんなどの併発症状がないかなど、日常の小さな変化が診断の大切な手がかりになります。
そのうえで、必要に応じて以下のような検査を行います。
・口腔内検査:歯や歯ぐき、粘膜の状態、異物の有無を丁寧に確認します
・血液検査・画像検査:内臓や神経の異常、腫瘍など全身的な病気を調べます
<治療の一例>
検査結果をもとに、原因や症状に応じて適切な治療を行います。
・歯周病:スケーリング(歯石除去)や抜歯などによる治療
・中毒:点滴や解毒処置などの緊急対応
・熱中症:体温を下げる処置と点滴による水分・電解質の補正
・腫瘍:外科的な切除や、必要に応じて内科的サポートを実施
八幡みなみ動物病院では、見た目の症状だけで判断せず「なぜその症状が起きているのか」を一つずつ丁寧に探る診療を大切にしています。
まとめ
犬のよだれが多いとき、それが一時的なものなのか、病気のサインなのかを見極めることが大切です。よだれの変化は、口の中のトラブルだけでなく、体の内側で起きている異常を知らせてくれることもあります。
「なんだかいつもと違うかも」と感じたときは、無理に様子を見続けず、できるだけ早めにご相談ください。早い段階で原因を見つけることで、より穏やかに回復を目指せる場合もあります。
八幡みなみ動物病院では、検査結果だけでなく、年齢や体調、生活環境なども考慮しながら、その子にとって最も安心できる治療方法をご提案しています。飼い主様としっかり話し合いながら、一緒に回復への道を歩んでいけるよう丁寧にサポートいたします。
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