犬の呼吸が荒い原因と対処法|すぐに病院へ行くべき症状とは
- 2025年4月9日
- 病気について
愛犬の呼吸がゼーゼー、ハァハァと息が荒い様子をみせると、飼い主様は不安を感じられることでしょう。こうした呼吸の乱れや呼吸困難のような症状の原因はさまざまで、一時的な場合もあれば、緊急性を伴うケースもあります。症状を見逃さず、早めに適切な対応をすることが、愛犬の健康を守るためにとても重要です。
今回は、犬の呼吸が荒くなる原因や呼吸困難が疑われる場合の対処法について、詳しく解説いたします。
■目次
1.犬の正常な呼吸とは?
2.呼吸が荒くなる主な原因
3.緊急性の高い症状とは
4.自宅でできるケアと予防法
5.まとめ
犬の正常な呼吸とは?
まずは、犬の正常な呼吸について知ることが大切です。
犬の安静時の呼吸回数は、1分間に10〜35回程度が目安です。ただし、犬種や体格、体調によって若干の違いがあります。例えば、小型犬は大型犬よりも呼吸回数が多い傾向にあります。
正常な呼吸と異常な呼吸の見分け方として、以下のポイントに注目してください。
・呼吸のリズムが規則正しいかどうか
・呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューといった異音がしないか
・安静時に口を開けて呼吸していないか
呼吸が荒くなる主な原因
犬の呼吸が荒くなる原因は、大きく「一時的な原因」と「内科的な原因」に分けられます。
<一時的な原因>
以下のような一時的な原因による呼吸の乱れは、通常、短時間で落ち着きます。
・暑さによる体温調節
犬は汗腺が少ないため、口を大きく開いて浅く速い呼吸(パンティング)をすることで体温を下げます。特に夏は体温が上がりやすいため、熱中症にも注意が必要です。
・運動後
激しい運動や遊びの後に呼吸が荒くなるのは自然な反応です。通常は、運動を終えて少し休むと落ち着きます。
・ストレスや興奮
環境の変化や音、見知らぬ人に対する不安・興奮でも呼吸が乱れることがあります。
<内科的な原因>
以下のような内科的な原因による呼吸の乱れは、より深刻で長期的な対応が必要となる場合があります。
・心臓病
僧帽弁閉鎖不全症や心筋症など、心臓に負担がかかる病気で呼吸が乱れることがあります。
・呼吸器疾患
気管支炎や肺炎、気道に異物が詰まることなどが原因です。
・熱中症
呼吸が非常に荒くなり、ぐったりしている場合は緊急性が高い状態です。
・その他の疾患
膿胸、気胸、横隔膜ヘルニアなどが挙げられます。呼吸が浅く速い場合や、異常な音を伴う場合は注意が必要です。
緊急性の高い症状とは
以下の症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診する必要があります。
・口を開けて呼吸している
・呼吸が浅く速い、または不規則
・横たわったまま動かずに呼吸をしている
・鼻や口から泡や血液が出ている
・舌や歯茎が青白い(チアノーゼ)
・呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューなどの異音がする
このような場合、まずは愛犬を静かな場所で安静にさせ、頭を少し高くした姿勢を取らせてください。その後、すぐに動物病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。
自宅でできるケアと予防法
愛犬の呼吸トラブルを防ぐためには、日頃のケアが重要です。
<室温管理>
夏場は室温を20~25℃程度に保ち、冬場は寒さ対策を行いましょう。
<適度な運動>
過度な運動を避け、愛犬の体力や健康状態に合わせた運動量を心がけましょう。
<ストレスの軽減>
静かで落ち着ける環境を整え、愛犬がリラックスできる時間を作ることが大切です。
<健康チェック>
日頃から愛犬の呼吸や行動を観察し、変化に気づけるようにしましょう。
<定期的な健診>
心臓や呼吸器の健康を守るため、定期的に動物病院で健康診断を受けましょう。
まとめ
犬の呼吸が荒くなる症状は、単なる息切れのような一時的なものから、呼吸困難を引き起こす深刻な病気まで、その原因はさまざまです。
呼吸の異変は、愛犬の健康状態を示す大切なサインでもあります。特に、症状が長時間続いたり、緊急性の高いサインが見られたりする場合は、すぐに動物病院を受診してください。
また、日頃から愛犬の呼吸のリズムや状態を把握しておくことで、異常にいち早く気づくことができます。もし気になることがあれば、ぜひ当院にご相談ください。
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