犬の前立腺肥大について|排尿困難や血尿に要注意
- 2024年9月13日
- 病気について
前立腺肥大は、精巣から分泌される男性ホルモンの影響で前立腺が肥大する病気です。初期段階では無症状のことが多いですが、進行すると排尿や排便の困難、血尿などの症状が現れます。
今回は、犬の前立腺肥大の「原因、症状、診断方法、治療法」について詳しく解説します。
■目次
1.前立腺肥大とは?
2.症状
3.原因
4.診断方法
5.治療方法
6.予防法やご家庭での注意点
7.まとめ
前立腺肥大とは?
前立腺は、膀胱の近くに位置する男性特有の臓器で、精液の一部を分泌する役割を持っています。前立腺肥大は、この前立腺が男性ホルモンの影響で肥大してしまう病気です。主に中高齢の去勢していないオス犬に発症します。
症状
前立腺肥大の症状は、肥大の程度や部位によって異なります。初期段階では無症状のことが多いですが、病気が進行すると以下のような症状が現れます。
・排尿困難、頻尿
・血尿
・排便困難、便秘
・腹部の痛み
・食欲不振
・元気消失
肥大した前立腺が尿道や直腸を圧迫することで、排尿や排便に影響を与えます。愛犬にこのような症状が見られた場合は、速やかに獣医師の診察を受けることをおすすめします。
原因
前立腺肥大の主な原因は、精巣から分泌される男性ホルモンの過剰刺激です。去勢していないオス犬は、加齢とともに男性ホルモンの分泌量が増加し、前立腺が肥大しやすくなります。
また、肥満や運動不足なども前立腺肥大のリスクを高める要因と考えられています。
診断方法
前立腺肥大の診断には、主に直腸検査と画像検査が用いられます。
直腸検査では、肛門から指を挿入して前立腺の大きさや硬さを直接触って確認します。
画像検査では、超音波検査やレントゲン検査、CT検査などを行い、前立腺の状態や周囲の臓器への影響を詳しく調べます。
これらの検査結果を総合的に判断して、前立腺肥大の診断を下します。
治療方法
前立腺肥大の治療は、主に去勢手術と内科的治療の2つがあります。
去勢手術は、精巣を取り除くことで男性ホルモンの分泌を止め、前立腺の肥大を抑える方法です。多くの場合、去勢手術により前立腺は徐々に縮小し、症状が改善します。
内科的治療では、男性ホルモンの作用を抑える薬を使用します。去勢手術が難しい場合や、飼い主様が手術を望まない場合に選択されます。ただし、内科的治療は対症療法であり、根本的な解決にはなりません。
予防法やご家庭での注意点
前立腺肥大を予防するには、若いうちに去勢手術を行うことが最も効果的です。去勢により男性ホルモンの分泌が抑えられ、前立腺肥大のリスクを大幅に下げることができます。
また、日頃から適度な運動とバランスの取れた食事を心がけ、肥満を予防することも大切です。
まとめ
前立腺肥大が疑われる症状が見られた場合は、早めに獣医師に相談しましょう。早期発見・早期治療を行うことで、愛犬の苦痛を最小限に抑えることができます。
愛犬の健康に少しでも不安を感じたら、当院にご相談ください。私たち獣医師が、飼い主様と愛犬に寄り添い、最善の治療方法をご提案いたします。
■去勢手術についてはこちらで解説しています。
・去勢手術・避妊手術
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