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犬が突然倒れたら?失神の原因と受診の目安を獣医師が解説|八幡みなみ動物病院|市川市の動物病院

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犬が突然倒れたら?失神の原因と受診の目安を獣医師が解説

犬が突然倒れたら?失神の原因と受診の目安を獣医師が解説|八幡みなみ動物病院|市川市の動物病院

犬が突然倒れたら?失神の原因と受診の目安を獣医師が解説

突然、愛犬が倒れて動かなくなったり、名前を呼んでも反応がなくなったりすると、飼い主様としては、とても不安に感じられるかと思います。

犬の失神は、しばらくすると何事もなかったかのように回復することもありますが、背景に重大な病気が隠れているケースも少なくありません。とくに、心臓や脳、血液の循環に関わるトラブルが関係していることが多く、症状が一時的に治まったとしても、早めに原因を確認することが大切です。

今回は、犬の失神とはどのような状態なのか、似た症状との違い、考えられる原因、そして受診を検討したい目安について解説します。

■目次
1.犬の「失神」とは|よく似た症状との違い
2.犬が失神する主な原因
3.こんなときはすぐ受診を|緊急性の判断ポイント
4.動物病院で行う検査と治療
5.まとめ|「一度きり」でも相談を

 

犬の「失神」とは|よく似た症状との違い

失神とは、脳への血流が一時的に低下することで、意識を失う状態を指します。

犬の場合、次のような様子が見られることがあります。

ふらっとよろけるように倒れる
力が抜けたように崩れる
呼びかけに反応しない状態が数秒〜数十秒続く

多くの場合、短時間で自然に意識が戻るのが特徴です。

<失神と間違えやすい症状>

失神と似た症状でも、原因や対応が異なるものがあります。

痙攣(けいれん)・てんかん発作
・手足を突っ張らせる、バタバタと動かす
・体が硬直する
・意識がない時間が比較的長い
・発作後もしばらくぼんやりする(発作後状態)

脱力・立ちくらみ
・一時的によろける
・すぐに立ち直る
・意識を完全に失うことは少ない

見た目だけでの判断は難しいため、倒れ方・動き方・回復までの様子を観察することが重要になります。

犬が失神する主な原因

失神は、脳に届く血液(=酸素)が一時的に足りなくなることで起こるケースが多く、背景には、循環や呼吸、ときに神経のトラブルが隠れていることがあります。

<心臓の病気>

失神の原因としてまず外せないのが、以下のような心臓のトラブルです。
不整脈:心拍が速すぎたり遅すぎたりして、脳へ血液が届きにくくなる
弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症など):血液をうまく送り出せず、失神につながることがある
心筋症:心臓の動きが弱くなり、循環が保てない状態になり得る

心臓は全身、とくに脳へ血液を送り出すポンプ役なので、ここが乱れると一瞬で意識が落ちることがあります。

犬の僧帽弁閉鎖不全症についてはこちらから
犬の拡張型心筋症についてはこちらから

<呼吸器・循環のトラブル>

心臓が頑張っていても、空気(酸素)を取り込む側がうまくいかなければ、脳は酸欠に近づきます。重い呼吸器疾患や気道のトラブルなどで、酸素が足りずに倒れることがあります。

このタイプでは、倒れる前後に「呼吸が荒い」「苦しそう」「舌や歯ぐきの色が悪い」といった“呼吸のサイン”が一緒に見られることが少なくありません。

<神経系の異常(てんかんなど)>

「失神」だと思っていたものが、実際にはてんかん発作などの神経の症状だった、というケースもあります。脳の電気的な異常で起こる発作は、見た目が似ることがあるため、ここは丁寧な見極めが必要です。

とくに「手足が突っ張る・ガクガクと動く」「体が硬直する」「発作後もしばらくぼんやりした状態が続く」といった様子が見られる場合には、失神以外の原因も視野に入れて原因を整理していく必要があります。

<その他>

失神は「心臓」「呼吸」「神経」だけでなく、体の状態や環境要因が関係して起こることもあります。たとえば、次のような要因が挙げられます。

低血糖(とくに小型犬や子犬、持病がある場合など)
脱水(循環血液量が減って血圧が保てない)
中毒
強い痛み・強いストレス

これらは単独で失神を引き起こすこともあれば、複数の要因が重なることもあります。そのため、ひとつの原因だけに目を向けるのではなく、全身の状態を総合的に捉えることが大切になります。

 

こんなときはすぐ受診を|緊急性の判断ポイント

次のような様子が見られる場合は、できるだけ早く動物病院へご相談ください。

意識が戻らない、反応が鈍い
失神を短期間に何度も繰り返す
呼吸が荒い、苦しそう
舌や歯ぐきが紫っぽい
立ち上がれず、ぐったりしている
初めての失神で原因が分からない

<自宅でできる対応のポイント>

失神が起きたときは、次の点を意識してください。

無理に抱き起こさず、安全で静かな場所に寝かせる
周囲を片づけ、刺激を減らす
食べ物や水を無理に与えない

一度回復したように見えても、必ず受診して原因を確認することが大切です。

 

動物病院で行う検査と治療

犬の失神では「何が原因で起きているのか」を段階的に整理していくことが大切です。診察では、次のような流れで確認を進めていきます。

問診
まずは、失神が起きたときの状況や、その前後の様子についてお話を伺います。失神は診察室で再現されないことがほとんどのため、ご自宅での情報が重要な手がかりになります。

どんなタイミングで倒れたか(運動中・興奮後・安静時など)
意識が戻るまでにかかった時間
力が抜けるように倒れたのか、体を突っ張らせていたか
回復後、すぐ普段どおりに戻ったか

もし倒れたときの動画があれば、実際の動きや回復の様子を確認するための貴重な情報になります。

身体検査・聴診・血圧測定
次に、全身状態の確認を行います。心音や呼吸音に異常がないか、脈のリズムは整っているか、血圧は安定しているかなどを確認し、循環や呼吸に問題がないかを見ていきます。

各種検査
問診や身体検査の内容をもとに、必要に応じて検査を組み合わせます。

心電図:不整脈の有無を確認
心エコー:心臓の動きや構造を詳しく評価
レントゲン検査:心臓や肺の状態を確認
血液検査:低血糖や貧血、全身状態の確認

これらを総合的に見ながら「心臓が関係しているのか」「別の原因が考えられるのか」を整理していきます。

<治療の考え方>

検査結果をもとに、失神の原因に合わせた治療を検討していきます。犬の失神は、原因によって対応が異なるため「その子に合った方法」を選ぶことが大切です。

心臓病が関係する場合
内服治療や生活管理によって心臓への負担を減らし、失神が起こりにくい状態を目指します。

不整脈が原因の場合
投薬や定期的な経過確認を行いながら、状態の安定を図ります。

てんかんなど神経の異常が関係する場合
抗てんかん薬を用いて、発作の頻度や重さをコントロールしていきます。

なお、症状が強い場合や緊急性が高い場合には、原因の特定よりも先に安静の確保や酸素投与など、体を守るための対応を優先することもあります。

年齢や体調、生活環境を踏まえたうえで、その子にとって無理がなく、飼い主様が納得できる形を一緒に選んでいくことが、安定した生活につながります。

<予防のためにできること>

とくにシニア期に入った犬では、定期的な健康診断が、心臓や全身の変化を早めに見つける助けになります。また「おかしいかも」と感じた場面を動画で残しておく習慣は、診察時の大きなヒントになります。

そして何より大切なのは「いつもより疲れやすい」「立ち止まることが増えた」「興奮したあとに様子が違う」といった、日常の中の小さな変化を見逃さないことです。それが結果的に、失神を繰り返さないためのいちばんの予防になることもあります。

 

まとめ|「一度きり」でも相談を

犬の失神は、一過性に見えても、重大な病気のサインであることがあります。「もう元気そうだから大丈夫」と判断してしまう前に、一度状態を確認しておくことが、愛犬を守るための大切な行動です。

八幡みなみ動物病院は予約優先の体制ではありますが、失神のような緊急性のある症状については、可能な限り救急診療にも対応しています。病院に連れて行くべきか迷う段階でも構いません。まずはお電話で状況をお聞かせください。

当院の救急診療についてはこちらから

迷ったときは「様子見」よりも「相談」を選ぶことで、安心につながるケースは少なくありません。気になる症状があれば、どうぞお早めにご相談ください。

 

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