犬の食道裂孔ヘルニアについて|完治させるためには外科手術が必要
- 2023年11月6日
- 病気について
食道裂孔とは、胸とお腹を隔てている横隔膜にある、食道が通る穴のことを指します。そしてこの食道裂孔を通じて、本来お腹の部分にあるべき胃の一部が胸の部分に入り込んでしまった状態を食道裂孔ヘルニアといいます。犬の場合は先天的に起こることが多く、完治させるためには外科手術が必要になります。
そこで今回はそんな犬の食道裂孔ヘルニアについて解説していきます。
目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
原因
肥満や頑固な咳などによって腹圧が上がり、胃が押し出されることもあります。しかし、犬の場合その多くが先天的な食道裂孔の異常により起こり、特にシャー・ペイやイングリッシュ・ブルドッグなどで注意が必要です。
症状
嘔吐や吐き気、よだれが多いなどの症状がみられますが、軽度の場合は無症状であることもあります。また、胃液が逆流することによって逆流性食道炎を起こすこともあります。
診断方法
問診や触診を行った後、通常のレントゲン検査に加えて造影レントゲン検査を行い、総合的に診断をします。また、内視鏡検査や、全身状態を確認するために血液検査も行う場合があります。
治療方法
犬の食道裂孔ヘルニアの治療法には内科的治療と外科的治療の2種類があります。軽度かつ無症状であれば内科的治療を行うこともありますが、内科的治療だけでは完治することはないため、外科手術が必要になります。
手術ではまず開腹を行い、食道裂孔に入り込んでしまった胃を元の位置に戻します。そして、開いてしまったヘルニア孔の閉鎖、食道および胃の固定術という手術を同時に行います。
予防法やご家庭での注意点
先天性の場合は発生を予防することは難しいものの、体重管理を行い肥満を予防することで、先天的に食道裂孔が緩くても、胃が入り込むことを防げる可能性があります。
また、咳が長引くようであればすぐに病院を受診し、治療をすることで、ある程度予防することは可能です。
しかし、先程もご紹介したとおり、犬の食道裂孔ヘルニアの多くは先天的な食道裂孔の異常によって起こります。この場合は予防が難しいため、早期発見・早期治療が何よりも大切です。
まとめ
犬の食道裂孔ヘルニアは先天的に起こることが多いため、予防が難しく、早期発見・早期治療が重要です。嘔吐は生理的に起こることもあるため病院を受診するか悩まれる飼い主様は少なくありません。何度も続けて吐いてしまったり元気がなかったりする場合には、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
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