猫伝染性鼻気管炎(FVR)について|一度感染すると再発する可能がある
- 2024年1月30日
- 病気について
猫伝染性鼻気管炎はいわゆる猫風邪の一種です。
子猫の場合は重症化すると命にかかわることもありますが、ワクチン接種を行うことで重症になることを予防ができるため、正しい知識を持ち愛猫を病気から守りましょう。
今回は猫伝染性鼻気管炎(FVR)について、症状や治療方法、予防方法などを解説します。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
原因
猫のヘルペスウイルスが原因で起こります。感染している猫の鼻水や目やに、唾液などを介して感染しますが、一度このウイルスに感染すると体(神経細胞)の中にウイルスが潜み続けるため、生涯にわたってキャリアとなり、ストレスや病気などによって免疫力が下がると再発することがあります。
症状
感染すると、3~4日で急に元気や食欲がなくなり、熱も上がります。そして鼻水やくしゃみが出るようになり、結膜炎を発症することもあります。
免疫力の高い成猫であれば、1週間程度で回復しますが、免疫力の低い子猫や高齢猫、病気を抱えている猫では、症状が悪化し、回復までに時間がかかることがあります。
さらに、細菌感染などを合併し、重症化してしまうと、全身状態の悪化から、命にかかわることもあります。
診断方法
遺伝子検査を行うことで診断することが可能ですが、多くの場合は症状から仮診断を行い、治療を行っていきます。
また、全身状態を確認するために血液検査などを行うこともあります。
治療方法
残念ながら猫のヘルペスウイルスに対する特効薬はありません。
そのため、高ウイルス作用のあるインターフェロンや、二次感染した細菌に対して抗生物質を投与します。
また、鼻が詰まっている場合にはネブライザーによる吸入をして、脱水を起こしている場合には点滴治療、結膜炎を起こしている場合には点眼治療を行うなど、症状に合わせた治療を行っていきます。
多頭飼育の場合、猫伝染性鼻気管炎に感染してしまった場合はすぐに他の同居猫と隔離をして、万が一他の猫にも似た症状がみられた場合はすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
予防方法やご家庭での注意点
猫伝染性鼻気管炎の予防のためにはワクチン接種と感染猫と接触をしないことが大切です。
まず、ワクチンは一度接種すれば大丈夫というものではなく、定期的に追加接種をする必要があります。ワクチンの種類はいくつかあるので、かかりつけ医としっかり相談の上、どのワクチンを接種するか決めるようにしましょう。多頭飼育をする場合には、念のため新入り猫のワクチン接種が終わるまでの間、先住猫と隔離するようにしましょう。
また、繰り返しになりますが、一度感染してしまうと免疫が下がったときや、ストレスを受けたときに再発する可能性があります。そのため、愛猫になるべくストレスがかからないよう心がけましょう。
まとめ
完全室内飼育をしている場合、ワクチン接種をしようかどうか悩む飼い主様もいらっしゃいます。しかし、飼い主さんの皮膚や洋服についたウイルスを介して感染してしまったり、動物病院を受診した際に感染してしまったりと、完全室内飼育であっても感染リスクがないわけではありません。
また、ワクチン接種のタイミングで健康診断を受けるようにすれば、病気の早期発見にもつながります。そのため、定期的にワクチン接種を受けるようにして、愛猫を病気から守ってあげましょう。
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