【保存版】子猫を拾ったらどうする?初日の対応から通院・自宅ケアの基本ガイド
- 2025年7月16日
- 病気について
道ばたで小さな子猫を見つけたとき「まず何をすれば…?」と戸惑う方のほうが多いのではないでしょうか。SNSでは心温まる保護エピソードが話題になることもありますが、対応を誤ると命にかかわるケースもあります。
今回は「もし子猫を拾ったらどうすればいい?」という疑問に対し、拾った直後から動物病院での診察、自宅でのケア、今後の健康管理までを時系列に沿って解説します。
■目次
1.拾った直後にまずやるべきこと
2.動物病院での初期検査と治療|見た目ではわからない問題も
3.おうちでの初期ケア|授乳・環境整備・衛生管理のポイント
4.今後の健康管理と心構え|愛情と継続的なケアが大切
5.まとめ
拾った直後にまずやるべきこと
まずは落ち着いて、安全確保と体調のチェックを行いましょう。
▼ 安全な場所へ移動し、見た目の異常をチェック
車通りの多い道路や、人通りの多い場所にいた場合は、速やかに安全な場所へ避難させてください。その後、目ヤニ、鼻水、ノミの有無、ケガなど、外見から分かる異常がないかを確認しましょう。驚かせないよう、静かにやさしく接することが大切です。
▼ 体温が下がっている場合は保温を優先
特に生後間もない子猫は、体温調節ができません。体が冷えている場合は、段ボールにタオルを敷き、人肌程度の湯たんぽ(ペットボトルにお湯を入れたものなど)でしっかりと保温をしてあげてください。
▼よくある誤解!「すぐにミルクをあげる」は危険です!
体が冷えたままの状態でミルクを与えると、消化不良や下痢を引き起こすおそれがあります。まずは体を温め、落ち着いた状態を確認してから授乳を行いましょう。
動物病院での初期検査と治療|見た目ではわからない問題も
子猫を保護したら、できるだけ早く動物病院で診察を受けることが大切です。見た目には元気そうに見えても、体の中では思わぬ異常が進行している場合があります。
<動物病院で行う検査の例>
初診時には、子猫の健康状態を確認するために、以下のような検査が行われます。
・体重・体温の測定:成長や体調の指標となる基本的なチェックです
・寄生虫の確認:ノミ・ダニ・回虫など、外部・内部寄生虫の有無を調べます
・便検査:消化管内の寄生虫や感染症の有無を確認するために行います
・血液検査:全身状態や隠れた異常の有無を確認するために実施されることもあります
これらの検査はすべて、子猫の命と健康を守るために欠かせない大切なステップです。
<寄生虫や感染症が隠れていることも>
外で拾われた子猫の多くは、ノミや回虫といった寄生虫を持っていることがあります。また「猫風邪(ウイルス性鼻気管炎など)」と呼ばれる感染症にかかっている場合もあり、重症化すると失明や命にかかわるリスクもあるため注意が必要です。
特にご家庭にほかの犬や猫がいる場合には、感染予防の観点からも早めの受診が安心につながります。
おうちでの初期ケア|授乳・環境整備・衛生管理のポイント
動物病院での診察を終えたら、いよいよおうちでのケアが始まります。はじめての方でも安心して対応できるよう、順を追ってポイントをご紹介します。
<Step 1|ミルクの与え方>
☑ 猫専用ミルクを使う
人間用の牛乳は消化不良を起こすおそれがあります。必ず「猫用ミルク」を用意しましょう。
☑ 姿勢と温度に注意
子猫をうつ伏せに近い自然な姿勢にして、人肌程度に温めたミルクを少しずつ与えましょう。仰向けで与えると、誤嚥の危険があるため避けてください。
☑ 回数と量
少量ずつ、1日数回に分けて与えるようにしましょう。一度にたくさん飲ませると体に負担がかかることがあります。
<Step 2|安全で静かな環境づくり>
☑ 寝床の用意
段ボールやキャリーケースに毛布やタオルを敷き、静かで落ち着ける場所に設置します。
☑ 保温が重要
寒い時期はペット用ヒーターや湯たんぽを活用して保温を。低体温は命に関わるため、常にあたたかく保ちましょう。
<Step 3|排せつのサポートと衛生管理>
☑ 排せつの補助
生後間もない子猫は自力で排せつできないことがあります。濡らしたティッシュなどで肛門をやさしく刺激してあげましょう。
☑ 清潔を保つ
哺乳器や寝床は毎日洗って清潔に保ちましょう。衛生環境が整っていないと、病気のリスクが高まります。
今後の健康管理と心構え|愛情と継続的なケアが大切
無事に育てるには、健康管理と「家族として迎える」気持ちが必要です。
<健康管理のポイント>
子猫が安定してきたら、健康を守るための継続的な管理が必要になります。
・月齢に応じたフードへの切り替え
・ワクチン接種と感染症予防
・避妊・去勢手術の検討
これらは動物病院と相談しながら進めると安心です。体調が不安定な時期は、些細な変化も見逃さないように注意深く観察しましょう。
<社会化と愛情を持った接し方>
子猫が人との信頼関係を築く「社会化」の時期はとても大切です。怖がりな性格にならないように、やさしく声をかけたり、スキンシップの時間を確保したりしましょう。「家族として迎える」という強い気持ちと覚悟が、何より大切です。
<かかりつけ医への定期的な相談>
信頼できる動物病院を見つけておくことで、急な体調変化にも落ち着いて対応しやすくなります。また、病気のときだけでなく、健康診断やワクチン接種、日々のケアに関するアドバイスなど、専門的なサポートを継続的に受けることが、子猫の健やかな成長につながります。地域に根ざした動物病院に定期的に相談できる環境を整えておきましょう。
まとめ
子猫を拾ったときに大切なのは「今この子に何が必要か」を冷静に見極め、適切に対応することです。特に初日は命に関わる大切なときですので、まずは保温や安全の確保、そしてできるだけ早い受診が優先されます。
その後も、正しい授乳や環境の整備を行いながら、子猫が安心して過ごせる暮らしを整えていきましょう。愛情をもって接し、少しずつ信頼関係を築いていくことで、その小さな命はきっと応えてくれます。
不安なことや気になることがあれば、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
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