犬の歩き方がおかしいと感じたら|後ろ足のふらつきに隠れる原因と受診の目安
- 2026年4月27日
- 病気について
「最近、後ろ足がふらつくようになった気がする」「立ち上がりにくそう」「よくよろける」――愛犬のこのような変化が気になったことはありませんか?
特にシニア期の犬では見られやすい変化ですが、すべてを“年齢のせい”と考えてしまうのは注意が必要です。実際には、神経や関節、筋肉など、さまざまな体のトラブルが関係していることがあります。
原因を早めに整理することで、進行をゆるやかにできるケースや、負担を軽くできるケースも少なくないため、まずは「今、どんな状態なのか」を正しく知ることが大切です。
今回は、犬の後ろ足のふらつきが見られるときに考えられる原因や、受診の目安、動物病院での検査や治療の考え方についてご紹介します。

■目次
1.犬の「後ろ足のふらつき」とは|どんな状態を指すのか
2.後ろ足がふらつく主な原因|疾患タイプ別に整理
3.受診の目安|すぐ相談したほうがよいサイン・様子を見られるケース
4.動物病院で行う検査・治療の考え方
5.まとめ
犬の「後ろ足のふらつき」とは|どんな状態を指すのか
後ろ足のふらつきといっても、その表れ方はさまざまです。日常の中でよく見られるのは、次のような様子です。
・後ろ足に力が入りにくい
・足を引きずる、踏ん張れない
・立ち上がりや段差を嫌がる
・歩くとお尻が左右に揺れる
・転びやすい、すぐ座り込む
こうした変化は「一時的な疲れ」として見られることもありますが、体の異常のサインとして表れている場合もあります。
たとえば、運動後に一時的にふらつくものの、しばらく休むと普段通りに戻る場合は、筋肉の疲労などが関係している可能性があります。一方で、ふらつきが続く、頻度が増えている、少しずつ悪化しているといった場合は、体の中で何らかの変化が起きているサインかもしれません。
見た目の変化がわずかでも「いつもと違う状態が続いているかどうか」に注目することが大切です。
後ろ足がふらつく主な原因|疾患タイプ別に整理
後ろ足のふらつきは、ひとつの原因だけで起こるとは限りません。ここでは主な原因をタイプ別にご紹介します。
<神経のトラブル>
神経の異常がある場合、動きに大きな変化が出やすいのが特徴です。
・急に歩きにくくなる
・痛みを伴うことがある
・進行すると麻痺が見られることもある
代表的な例としては、椎間板ヘルニアや脊髄の圧迫・炎症、変性性脊髄症などが挙げられます。
<関節・骨のトラブル>
関節や骨の異常では「動き始めのつらさ」や「左右差」が見られることがあります。
・立ち上がりに時間がかかる
・どちらかの足をかばう
・触ると嫌がる
股関節形成不全や変形性関節症、関節炎、膝の靱帯トラブルなどが関係している場合があります。
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<筋力低下・加齢変化>
シニア期では、筋肉量の低下やバランス感覚の変化により、ふらつきが見られることがあります。
・ゆっくりと進行する
・休むと少し回復することがある
ただし「加齢だから仕方ない」と思われがちな変化の中にも、治療やケアで負担を軽くできるケースが含まれていることがあります。
<全身性の病気>
一見、足の問題のように見えても、全身の状態が影響している場合もあります。
・元気や食欲の変化
・体重の増減
・疲れやすさ
などが見られる場合は、内分泌の異常や代謝のトラブル、貧血などが関係することもあるため、全身の状態を含めて考えることが重要です。
後ろ足のふらつきにはこのようにさまざまな原因があり、複数の要因が重なって起こることもあります。「ひとつの原因に決めつけないこと」が、適切な対応につながります。
受診の目安|すぐ相談したほうがよいサイン・様子を見られるケース
ふらつきが見られたとき「すぐに受診したほうがいいのか」「少し様子を見てもいいのか」と迷われることも多いかと思います。ここでは、目安となるポイントをご紹介します。
<早めの受診・救急相談をおすすめするサイン>
次のような場合は、できるだけ早めのご相談をおすすめします。
・急に立てなくなった、歩けなくなった
・痛みで鳴く、触ると強く嫌がる
・後ろ足の麻痺や感覚の低下がある
・排尿や排便がうまくできない
・短期間でふらつきが急激に悪化している
特に神経のトラブルが関係している場合は、対応の早さがその後の回復に影響することもあります。
<経過を見てもいいことがあるケース>
一方で、次のような場合は、慎重に様子を見ながら判断できることもあります。
・軽いふらつきで日常生活は保てている
・運動後など一時的に見られる
・数日で改善傾向がある
ただし「様子を見ていいのか迷う」という段階も大切なサインです。少しでも気になる場合は、まずは動物病院へご相談いただくことをおすすめします。
動物病院で行う検査・治療の考え方
動物病院では、まず現在の状態を丁寧に把握することから始めます。
<基本的な診察>
・これまでの経過を伺う問診
・歩き方や姿勢の観察
・関節や筋肉の状態を確認する触診
<神経学的な評価>
神経の働きに異常がないかを確認する検査を行い、どの部分に問題があるのかを整理します。
<必要に応じた検査>
状態に応じて、次のような検査を組み合わせます。
・レントゲン検査
・超音波検査
・CTやMRI(必要に応じて専門施設をご紹介)
<治療の選択肢>
原因に応じて、さまざまな方法を検討します。
・飲み薬による治療や痛みのコントロール
・リハビリや運動の調整
・生活環境の見直し
・外科的な治療(必要な場合)
早い段階で原因を把握できるほど、選択できる治療の幅が広がる傾向があります。早期に状態に応じた適切な対応を行うことで、日常生活への影響を抑えられる可能性が高まります。
まとめ
後ろ足のふらつきは、日常の中で見過ごされやすい変化ですが、体からの大切なサインであることも少なくありません。早めにご相談いただくことで、進行を抑えられる可能性が高まったり、その子に合ったケアの方法を見つけやすくなります。
八幡みなみ動物病院では、歩き方や日常の変化を丁寧に確認しながら、状態に合わせた治療や生活の工夫をご提案し、その子にとってよりよい過ごし方を飼い主様と一緒に考えていくことを大切にしています。「少し気になるかも」という段階でも構いませんので、どうぞお気軽にご相談ください。
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